“Made in PARIS”のこだわり! フィフィ・シャシュニルの工房へ初潜入
パリ1区のジャン・ジャック・ルソー通りに、アトリエ兼ショップを構える「フィフィ シャシュニル」を日本初公開! 今も一点ずつ手作りされているランジェリーは、ヴァネッサ・パラディやシャルロット・ゲンズブールといったパリジェンヌから、リアーナやシャーロット・オリンピアといったUKセレブ、さらにハリウッド女優や日本のタレントやモデルまでファン多数! 1985年のブランドスタートから、30年を超え世界で愛されるコレクションと彼女の変わらないスタイルの秘密を、パリの本店で聞き込み調査。
とっておきのランジェリーでフェミニニティを謳歌!
もともと1985年に「シャシュニル」のデザイナーとしてデビューしたフィフィ・シャシュニル。
「まず日本の人々がかわいい!と反応してくれたのを覚えてるわ。84年からこのアトリエを使っていて、最初は横だけだったんだけど、どんどん増床して、いまは地下にも工房があるの」
偶然に選んだというアトリエがあるのは、ジャン・ジャック・ルソーの居住地だった歴史的な建物。19世紀に活躍した女流作家であり初期のフェミニストだったジョルジュ・サンドの曾祖母にあたるマダム・デュパンが、哲学者のヴォルテールなどを招いたサロンを開き、フェミニズム的な運動もしていたとエピソードも。
「そこでいまランジェリーをデザインするアトリエを持っていることに、ドラマティックな運命を感じるわ! コルセットを解放して着やすい服で快適に、というデザイナーもいるけれど、私はせっかく女性に生まれたなら、フェミニニティを生かした美しいものをまとうのを楽しむのは素敵なことじゃないかと思うの。そういう嗜好を持っているから、夢のある女性らしいものを!と作り続けているのね」
プレタポルテを発表後、舞台衣装のデザイナーとしても活躍。その後ランジェリーを中心としたコレクションに切り替えたキャリアも。
「リアルじゃない世界を演出する舞台衣装を作ることはすごくおもしろかった! 夢を与えるような仕事だし楽しかったんだけど、プライベートで子供を三人出産した後、舞台上の架空の人物より、実際の生きている女性たちへ向けてもっと何かを発信したいという思いが強くなったの。
ランジェリーは着る人だけの喜びがあるところに楽しさを感じたわ。朝つけたときに気持ちが上がったり、ハッピーな気持ちになったり。白いシャツやデニム、ワンピースなど違うスタイルの人々でも、素肌につけるランジェリーは同じような趣味だったりするのがおもしろいと思って。
今年は“ミニフィフィ”という赤ちゃん用のコレクションを初めて作ったの。ネットでクリスマスシーズンに向けて発売する予定よ」
そういいながらアトリエから大切そうにもってきたのは、キュッとウエストがくびれたロンパース! ママンとお揃いのスタイルが叶うコレクションを準備しているという。
最後に、生粋のパリジェンヌとして街を楽しむフィフィに、おすすめのアドレスを訊いてみた。その答えもじつにパリシック!
「このアトリエの近くにある、パレロワイヤルの回廊やその周りのブティッ ク。噴水やバラがある中庭もはずせないわね。あとはヴァンドーム広場かしら。高級宝飾店のウィンドウを眺められるあの場所は、とてもパリらしくて素敵よね! 私が住むモンマルトルも美しいわ。夕暮れに映えるムーランルージュのネオンは、いつ見てもうっとりするの。レストランはクラシックでチャーミングなポンポネット がおすすめよ!」
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PROFILE: FIFI CHACHNIL
1985年にプレタポルテのファッションブランド「シャシュニル」をスタート。舞台衣装のデザイナーとしてもキャリアを築き、映画『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』で見られるようにスタイリストとしても活躍。'96年に「フィフィ シャシュニル」と改名、ランジェリーを中心としたコレクションに転化。'84年から増床を続けているという今回の取材場所は、パリ1区では貴重ないまも現存するアトリエ兼ショップ。
フィフィ シャシュニル ルーヴル本店
住所/68 rue Jean-Jacques Rousseau Fond de cour 75001 Paris
tel. +33(0)142211993
http://fifichachnil.com/
photo: YUSUKE KINAKA coordinate: HIROKO SUZUKI