小悪魔的な魅力が炸裂のローウエストのフラッパードレス
映画の見どころは、なんといってもマリオン・コティヤール演じるアドリアナのフラッパースタイル。なかでも、終盤のクライマックスシーンで着用していたゴールドのイブニングウエアは、アドリアナのミステリアスで気高い美しさを、見事に引きだしたといえるセレクト。歩くたびに揺れる繊細やビジュー使いなど、品がありながらも遊び心も漂うドレスアップは今見ても新鮮です。1920年代らしく、ウエストをマークしない“ローウエスト”のフラッパーシルエットこそ、女性をコルセットから解放したと言われるココ・シャネルの背景も感じられて、観ていて楽しい。
そんなゴージャスなドレスアップと打って変わり、清楚な印象のデートスタイルも発見。セーヌ川沿いをギルと散歩するシーンでアドリアナが着ていたのは、白地に赤のラインが入ったセーラー風ワンピース。ソフトベージュのパンプスを合わせて、パリの石畳を歩く姿はなんとも可憐! ギルに惹かれ始めたともとれる、乙女心あふれる衣装選びは、アドリアナの心情も感じられて観ているこちらもドキドキ。
Illustration、text : foxco
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『ミッドナイト・イン・パリ』(2012年)
監督・脚本/ウディ・アレン
出演/オーウェン・ウィルソン、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、キャシー・ベイツほか -
渡邉香織(foxco) /イラストレーター、モデル
東京都出身。“foxco(フォクスコ)”の名前でイラストレーターとして活動。高校時代をカナダ、大学1年間をパリ第一大学(ソルボンヌ)芸術学部で過ごす。パリ留学中にイラストを描きはじめ、2016年冬から本格的にイラストレーターの仕事をスタート。外資系IT企業との副業で活動していたが、2017年6月に独立。ファッション誌へのイラストやブランドとのコラボレーション、テレビの生放送でも絵を描くなど、ジャンルを問わず幅広く活動中。
https://www.instagram.com/foxco_kaori/