ヘルシンキから車で1時間半、イッタラ村のガラス工場へ
ヘルシンキからイッタラ村をめざして、クルマで街を出る。ほどなく窓の外には花が咲き乱れる草原が。そして青い空には、小さな雲が浮かぶ。村上春樹の小説に登場した、静かな湖畔の街ハメーンリンナに着くと、イッタラ村はもうすぐ。
ついにイッタラ工場に到着。ヘルシンキから1時間半のドライブ。今はここで「京都バード」も作られている。トイッカに送った京都のイメージは、路地裏に射す光、お寺の瓦屋根の連続模様、三十三間堂に並ぶ観音像……。どんなバードとなって生まれてくるのだろう。なんだかわくわくする。
ホットスタジオを訪ねると、熟練したマウスブロワーが4~5名のチームを組んで仕事をしている。ちょうど「京都バード」の頭部とくちばし部分が作られていた。見れば、「京都バード」のボディには、白いオーガニックなラインが流れている。なんて詩的で洗練されているのだろう。
そして完成した京都バードとの対面! 包みをあけてると、ボディとくちばしがサンドベージュ、頭はゴールドブラウンに輝いている。木彫りの仏像の色や、格子戸のストライプのイメージだろうか? かつて河井寛次郎記念館で出会った、名前も知らない鳥のことを思い出す。飛び去る時のかすかな羽ばたきが、もう一度聞こえてきそうだ。
text:RYUKO KIDA
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イッタラGINZA
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