『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』ほか2月第三、四週のコレ観なきゃウィークエンド
毎週たくさんの新作映画が劇場公開されるなかで、私たちが本当に観るべきものって？ 女性の知的好奇心を満たす、いま観るべき作品をエルがセレクト。今年からは隔週ペースでお届け中。2月後半はソフィア・コッポラ待望の最新作が登場。
2月23日（金）公開『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』
舞台は1864年、バージニア州にある南北戦争から隔離された女子だけの寄宿学園。偶然、出会った負傷した北軍兵士を看護し、匿ったことから、園内の均衡は、ばらばらと崩れていく。厳格な園長をニコール・キッドマン、負傷兵をコリン・ファレル、さらにキルスティン・ダンスト、エル・ファニングといったソフィア作品の常連が脇を固める。真っ白な洋館で暮らす、リボンとレースで飾られた女性たちの完璧にファンシーな世界が生臭い一人の侵入者によって、ズタズタにされ、隠された欲望が浮き彫りになる。ソフィアお得意のテイストに一歩、踏み込んだ作品作りはまるで裏切りのような衝撃度のスリラー。原作はトーマス・カリナンの小説「The Beguiled」で、71年にクリント・イーストウッド主演で『白い肌の異常な夜』として映画化されているが、今回は女性視点で描き、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞している。
監督／ソフィア・コッポラ
キャスト／コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング、オオーナ・ローレンスほか
2月23日公開
http://beguiled.jp/
2月24日（土）公開 『ナチュラルウーマン』
カフェのウエイトレスをしながら、ナイトクラブで歌っているマリーナはトランスジェンダー。年上の恋人オルランドと年齢差はあるものの、幸せに暮らしていた。ところが、その彼が急死してしまう。悲しみに打ちひしがれる彼女に、彼の親戚は立ち退きを要求、さらに彼女の存在を認めず、葬儀に参加することさえ、拒否する。自分流を貫こうとする彼女だが、次々と偏見や好奇の目が向けられ……。時にくじけそうになりながら、どんな嫌がらせにも前を向いて、立ち向かおうとする彼女の姿が胸を打つ。劇中でも見事な歌声を披露しているヒロインのマリーナは、自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ヴェガが熱演。本作で、女優として高く評価された彼女は、いまではトランスジェンダーではない女性の役を演じている。
監督・脚本／セバスティアン・レリオ
キャスト／ダニエラ・ヴェガ、フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコ、アリン・クーペンヘイム、ニコラス・サベドラほか
2月24日公開
http://naturalwoman-movie.com/
Text: Aki Takayama
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