ニュース 2015/9/25(金)

世界的写真家、ロベール・ドアノー氏の孫娘が語る「祖父の愛したパリ」

『パリ市庁舎前のキス』(1950年)で名高いフランスの写真家、ロベール・ドアノー氏。パリのストリートで毎日のようにカメラを構えていたというドアノーは、1994年の没後も世界中で愛され続け、日本国内でも展覧会が複数回開催されるほどの人気。今なお色あせない彼の貴重なプライベートフォトとともに、孫娘の仏ジャーナリスト、クレモンティーヌ・ドルディルさんが「祖父と私」「変わらぬパリの魅力」そして大好きな東京についても特別に語ってくれた。

思い出のモンスリ公園にて、クレモンティーヌさん。

Q7 おじいさんとあなたの思い出の場所は?
  
祖父はいつも「日常」を撮っていたので、私たちをありとあらゆる撮影スポットへ連れて行ってくれました。地元のモンルージュや、近くのマラコフ、ジャンティイなど、彼が運転する車に乗るのが大好きでした。祖父はいつもいろいろなことについて話してくれました。モンスリ公園からトンブ・イソワール通りまでのルートも祖父との思い出のひとつです。ほかにも、今はなくなってしまったビュット・オ・カイユ のレストラン「シェ・ポール」、ポルト・ドゥ・ヴァンヴの蝶々の壁画、ミュゼ・デ・ザール・フォラン(縁日博物館) 、パリのセーヌ河岸など。祖父は散策が好きでした。それもひとりで!

ポルト・ドゥ・ヴァンヴの蝶々の壁画(「モーリス・バケ ポルト・ドゥ・ヴァンヴ」1983年6月25日)。

©Atelier Robert Doisneau

Q8 クリエイターとしてのドアノーさんにはどういう印象をおもちですか?
 
祖父はとても謙虚な人で、自分のメモワール(自伝)を語るようなことはしませんでした。しかし亡くなる数年前に、ある出版社が祖父の著した唯一のエッセイ『不完全なレンズで~回想と肖像』(日本語版は月曜社刊)を発行しました。その後、私はこのエッセイ集の翻訳者であり、ドアノー専門家で作家の堀江敏幸氏に出会いました。これまでまったく知られていなかったことですが、その堀江氏によると、祖父は書き手としてもすばらしい素質をもっていたそうです。祖父は優秀な写真家であるだけでなく、有能な作家でもあったわけです。いま私が制作しているドキュメンタリーでも、祖父のそういった意外な素顔を取り上げる予定です。

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Photo : Yusuke Kinaka、GettyImages

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