特集 2017/7/21(金)

5分でポップ・アートが語れる4つのキーワード

タイムズスクエアに受話器を取ると移民たちの声が流れる電話ボックスが登場。混迷する社会に訴える手段としてのアートが増え、ますます注目を集めるNYアートカルチャー。その代名詞といえば「ポップ・アート」の名を挙げるが多いけれど、説明しろと言われると難しい!? ウォーホールやリキテンスタインといった名前以外でも押さえておくべきポイントを数回にわけて説明。まず第一回目は、ミラノからアート&カルチャー情報を発信する若柳サラさんが、ポップ・アートが生まれた背景を5分で解説! これを読めば、あなたも明日から知ったかできる……はず。(注:ただし読了時間には個人差があります)

ポップ・アートの先駆者リチャード・ハミルトン

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ポップ・アートのキーワードは「低コスト、大量生産」⁉
 
ポップ・アート史上初の傑作品とも言われる、リチャード・ハミルトンの「Just what is it makes today’s homes so different, so appealing?」(1956 写真) は、当時の様々な社会情勢を一枚の作品にまとめた象徴的な作品。これさえ押さえればスタートはOK。当時流行していた“POP”と書かれているチュッパチャップスを手にするボディビルダー、国を代表する自動車メーカー、主婦の間で爆発的な人気となった掃除機。床にはアクションペインティングの面影を残してからの、机の上には皆こぞって食べたがった安っぽい加工品のハム。アメリカ人がこぞって手にした流行りものをずらり集めたハミルトン。それまで高尚なものとして楽しむ要素が強かったアート業界の中で、彼が率直に語った身もふたもないフレーズこそが、端的にポップ・アートを説明している。
 
「ポップ・アートのキーワードはね、ポピュラー、はかない、消費財的、低コスト、大量生産、若さ、洒落ていること、セクシー、新しいもの好き、魅力的、そして大儲け(ビッグ・ビジネス)なんだよ!」。

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Text: Wakapedia

  • 若柳サラ/ ミラノ生まれ。ミラノ大学 Comunication in arts marketing学科卒。パリ第三大学ソルボンヌ・ヌーベルMédiation Culturelle de l'Art修了。日伊英仏の国際的クリエイターが共同で発信する、アート&ファッションメディア「Wakapedia」主宰。『ロフィシエル イタリア』のコントリビューティング・エディターやプラダ財団公式日本語ガイドも務める。

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