海外セレブゴシップ 2016/6/21(火)

ファンタジー? それともコメディ? イザベル・ユペール主演映画『ELLE』を巡り議論が勃発中!

先月開催されたカンヌ映画祭で上映された映画『ELLE(原題)』。性的暴行を受けた後、警察に届けず普通の生活を続ける女性ミシェル。淡々と日常を送りつつ彼女が自分で犯人を見つけ復讐を果たしていく、というこの作品が注目を集め、大きな議論を巻き起こしているそう。

イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)、ポール・バーホーベン(Paul Verhoeven) photo: Getty Images

監督は『氷の微笑』『ショーガール』のポール・バーホーベン。ヒロインのミシェルを演じるのはフランスを代表する女優で、今週から日本で開催される「フランス映画祭」の団長も務めるイザベル・ユペール。当初、監督はアメリカ人女優で撮ろうとしていたそう。でも「レイプをコメディにしている」と反発の声があがり、監督曰く「Aリストの女優たちに依頼したけれどすべて断られた」とか。その中で興味を持ったのがイザベルだったそう。
 
カンヌでの上映後、賞賛の声が上がる一方で「レイプを肯定的に描いている」と批判の声も。イザベルは「これは現実として受け止めるべき物語ではない。レイプされ、その犯人を受け入れていく女性の話ではなく、ファンタジーとして捉えるべき。起きることを望んでいるという意味ではなく、心の中にあることを認めることができないようなものとして。すべての女性に起こるものではなくて、彼女の身に起きたことを描いているの。映画を見ればこの作品がレイプ全般について語っているわけではないことがわかると思う」とコメント。原作者フィリップ・ジャンも「女性が自由を感じると人々は恐れを抱く。彼女は社会の規範ではなく自分の好きなように行動することを望んだ」とこれまでの被害者像を覆すコメントをしているそう。
 
バーホーベン監督曰く「彼女は自分で状況をコントロールしている。何をしているのかを理解しているんだ」。レイプの被害者を、今までの弱い被害者像でもリベンジに燃えるアンチヒーローでもなく「一人の女性=彼女」として描いたとして評価する意見も多い『ELLE』。今年の秋からアメリカをはじめ世界で公開されるそう。女性と社会の規範の関係を描いた作品として、日本でも注目を浴びそう。

text : Yoko Nagasaka

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