現地時間1月15日（木）、ビバリーヒルズで発表された第87回アカデミー賞のノミネート。前哨戦の結果を裏切るサプライズを含め、気になる全部門の候補が出そろった。
 
作品賞、監督賞を含む9部門で最多ノミネートを果たしたのは、『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』（アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督）と『グランド・ブダベスト・ホテル』（ウェス・アンダーソン監督）の2作品。続いてベネディクト・カンバーバッチが実在の数学者を演じる『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』（モルテン・ティルドゥム監督）が8部門、前哨戦ゴールデン・グローブ賞で作品賞（ドラマ部門）を受賞した本命『6才のボクが、大人になるまで。』（リチャード・リンクレイター監督）、クリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』が6部門でのノミネートとなった。

主演男優賞部門では、ベネディクト・カンバーバッチ（『イミテーション・ゲーム～』）、エディ・レッドメイン（『博士と彼女のセオリー』）のイギリス勢が揃って初ノミネート。エディとともにゴールデン・グローブ賞を受賞しているマイケル・キートン（『バードマン～』）という強敵に加え、前哨戦では目立たなかったブラッドレイ・クーパー（『アメリカン・スナイパー』）がここへきて3年連続ノミネートというサプライズもあり、本戦での対決が見もの。

主演女優賞部門では、前哨戦で順当にノミネートを果たしていたジェニファー・アニストンが落選。過去4回のノミネートを誇る実力派ジュリアン・ムーア（『アリスのままで』）、『ゴーン・ガール』の怪演で世の男性陣を震え上がらせたロザムンド・パイク、リース・ウィザースプーン（『Wild（原題）』）、マリオン・コティヤール（『サンドラの週末』）、新鋭フェリシティ・ジョーンズ（『博士と彼女のセオリー』）の5名が争うことに。

また日本からは高畑勲監督作『かぐや姫の物語』が長編アニメ―ション賞部門にノミネート。昨年の宮崎駿監督作『風立ちぬ』に続き、2年連続でスタジオジブリ作品が同部門にノミネートという快挙となった。全米大ヒットを記録したデヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』は、ロザムンド・パイクの主演女優賞ノミネート1部門のみという結果。同作に出演し、今年の授賞式の司会を務めるニール・パトリック・ハリスの立場はいかに!?
 
主要部門のノミネートは以下の通り。
 
●作品賞
『6才のボクが、大人になるまで。』
『グランド・ブダベスト・ホテル』
『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
『博士と彼女のセオリー』
『アメリカン・スナイパー』
『Selma（原題）』
『セッション』
 
●監督賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ　『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』
リチャード・リンクレイター 『6才のボクが、大人になるまで。』
ベネット・ミラー『フォックスキャッチャー』
ウェス・アンダーソン　『グランド・ブダペスト・ホテル』
モルテン・ティルドゥム『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
 
●主演女優賞
フェリシティ・ジョーンズ　『博士と彼女のセオリー』
ジュリアン・ムーア　『アリスのままで』
ロザムンド・パイク　『ゴーン・ガール』
リース・ウィザースプーン　『Wild（原題）』
マリオン・コティヤール　『サンドラの週末』 
 
●主演男優賞
スティーブ・カレル　『フォックスキャッチャー』
ベネディクト・カンバーバッチ　『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
エディ・レッドメイン　『博士と彼女のセオリー』
マイケル・キートン　『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
ブラッドレイ・クーパー　『アメリカン・スナイパー』  
 
●助演女優賞
パトリシア・アークエット　『6才のボクが、大人になるまで。』
キーラ・ナイトレイ　『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
エマ・ストーン　『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』
メリル・ストリープ　『イントゥ・ザ・ウッズ』
ローラ・ダーン『Wild(原題)』 
 
●助演男優賞
ロバート・デュヴァル　『ジャッジ 裁かれる判事』
イーサン・ホーク　『6才のボクが、大人になるまで。』
エドワード・ノートン『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』
マーク・ラファロ　『フォックスキャッチャー』
J.K. シモンズ　『セッション』
 
●脚本賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ニコラス・ジアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス、アルマンド・ボー　『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』
リチャード・リンクレイター　『6才のボクが、大人になるまで。』
E・マックス・フライ、ダン・ファターマン『フォックスキャッチャー』
ウェス・アンダーソン　『グランド・ブダベスト・ホテル』
ダン・ギルロイ『Nightcrawler（原題）』
 
●長編アニメーション賞
『ベイマックス』
『The Boxtrolls（原題）』
『ヒックとドラゴン2（仮）』
『Song of the Sea（原題）』
『かぐや姫の物語』