今も多くの謎が残るジョン・F・ケネディ元大統領の暗殺事件。この事件についてこれまでFBIやCIAが行ってきた調査に関する記録は今まで機密扱いになっていたが、公開される期限が10月26日（木）に迫っていた。ドナルド・トランプ大統領はTwitterでこの公開を認めるとコメント、「これから受け取る情報次第ではあるが、私は大統領としてJFKファイルの公開を許可する」と明らかに。ホワイトハウスも「非公開の正当性が政府の機関から示されない限り、公開されるべきだと大統領は考えている」と説明している。

実行犯として逮捕されたリー・ハーヴェイ・オズワルドが刑務所に移送される際に殺害され、全貌が明らかにされていないケネディ暗殺事件。キューバのカストロ政権打倒のための作戦をめぐって大統領と対立していたCIAが計画したという説や副大統領のリンドン・B・ジョンソンが関わっていたという説、またジョン・F・ケネディの組織犯罪対策に脅威を感じたマフィア組織による犯行だという説も出ていた。

今回明らかになるのはこれまで非公開だった約3000の文書と、一部だけ公開されていた約3万の文書だという。一部の人からは、これらが事件の全貌を明かしてくれるのでは？　と期待する声も。でも暗殺事件を調査してきた裁判官のジョン・タンハイムはAP通信に、新しい情報はあまり明かされないのではとコメントしている。それでもオズワルドが事件の数週間前にメキシコ市を訪問していた理由などが明らかにされる可能性があるという。

ちなみにトランプ大統領は「ケネディ大統領の暗殺は陰謀だ」という意見の持ち主。大統領選の予備選でも、共和党の候補者の座を争ったテッド・クルーズの父親が暗殺に関与していたと根拠もなく（！）主張していた。一部からは今回の文書公開は、ラスベガスでの銃乱射事件後に改めて高まっている銃規制の論議や、人種差別問題、ハリケーン被害から目をそらしたいからだという見方も浮上。500万ページ以上あるという膨大な量の文書から何が明らかになるのか、続報にも注目したい。