特集 2013/7/22(月)
世界のおやつ from London/五月ギャンブル

イギリスの夏のノスタルジックなアイスクリーム・デザート、『ニッカーボッカー・グローリー』

その名を聞けばイギリス人みんなが遠い目をして懐かしがる、レトロなアイスクリーム・デザートをご紹介。

記録的な冷夏だった6月が去って、ロンドンにも待ちに待った夏がやってきました! 夏の暑い日にはちょっとおしゃれをして、フォートナム&メイソンの2階のアイスクリーム・パーラーに涼みに行くのが毎夏恒例の行事。お目当はと言うと、昔懐かしいオールド・ファッションな デザート『ニッカーボッカー・グローリー』。

ニッカーボッカー・グローリーは、アイスクリームがまだ高級品だった1930年代につくられたデザート。一昔前はどのレストランのデザート・メニューにもその名を連ねていたそうなのだけど、アイスクリームを歩きながらカジュアルに食べる様になった今ではすっかり“Out of fashion(時代遅れ)”に。現在お目にかかれる場所はと言うと、海辺の街にあるちょっと裏寂れたアイスクリーム・パーラーや、300年の歴史を誇るロンドンの高級食品店 フォートナム&メイソンのこのパーラーだけなのだそう。

銀のお盆に乗せられたグラスの中に、12年物のバルサミコ酢で和えたイチゴとラスベリー・ピューレ、バニラアイスクリームが重なって、その上に乗せられたホイップド・クリーム。このレイヤーを銀のスプーンですくって食す至極の瞬間! クオリティの高さが一口で分かるアイスクリームとフルーツ達のコンビネーションは、12ポンドという値段も納得させる味なのであります。

実はこのアイスクリーム・バーラー、義父が大学生の頃バイトしていた場所でもありまして、彼は当時、往年の大女優マレーネ・ディートリッヒにオレンジ・ジュースをサーブした事があるそう。マレーネが座ったのはどの席かな? なんて想像を膨らませながら、たまにはお上品に銀のスプーンを使って食べる、こんなアイスクリームもいいよね……と一人ごちた昼下がりなのでした。

  • 五月ギャンブル●Satski Gamble。ニューヨークのマグノリア・ベーカリーでケーキ・デコレーターとして修業する傍ら、ロック・バンドのメンバーとしても活動。ロンドンのレコード会社と契約後、渡英。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキとデコレーション』。
    http://satskigamble.com/

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