特集 2015/8/3(月)
世界のおやつ from Bologna / Mari

エスプレッソを凌駕する日も近い?! ボローニャの「手作りジュース」大研究

イタリア人が一番よく飲むものといえば、エスプレッソなどのコーヒーを使ったドリンク。しかし、ここ最近コーヒーを凌駕するのでは? という勢いで増えているのが「Frullato(フルラート)」や「Centrifugato(チェントリフガート)」と呼ばれる野菜や果物をふんだんに使った手作りジュースです。今回はヘルシーでおいしい手作りジュースが飲めるボローニャの人気店を3店、厳選してお届けします!

1軒目はボローニャの中心街にある人気店「FraGola(フラゴーラ)」。オーナーのFabio(ファビオ)さんに開店のきっかけを聞くと、Granita(グラニータ)や炭酸飲料が夏の定番ドリンクだった2007年に、海を求めて向かったアドリア海の町、Rimini(リミニ)やRiccione(リッチョーネ)でフレッシュでヘルシーな果物&野菜ジュースに出合ったのがはじまりだったのだそう。ボローニャでも健康的な手作りジュースを届けたいと思い、その年にすぐ「FraGola(フラゴーラ)」をオープンさせたとのこと。

店のウィンドーには毎朝新鮮なカットフルーツが並べられ、果物や野菜の絞り汁だけのジュース「チェントリフガート」や、スムージーのような「フルラート」といったドリンクを販売しています。ほかにも、フルーツにヨーグルトやシリアルなどをトッピングしたものや日替わりの野菜スープ、野菜や果物のサラダなど体にいいメニューがよりどりみどり。常連客は、決められたメニューだけではなく、自分好みの食材を選んでオリジナルメニューをオーダーする人も! 迷っている人には、ファビオさんが、その日のおすすめ食材でとっておきのジュースを作ってくれます。

なかでもとくにおすすめなのが、日本で大ブームとなった「Açaí(アサイー)」を使ったドリンク。ファビオさんの妻Stefania(ステファーニャ)さんが、旅行先のブラジルで「奇跡のフルーツ」ともいわれるアサイーに出合った2010年からメニューに加えています。ブルーベリーの18倍のポリフェノール(老化を防ぐ抗酸化力が高い)やプルーンの10倍の鉄分、ごぼうの6倍の食物繊維や牛乳の2.2倍のカルシウム……とその栄養価を挙げるときりがないほど体にいいアサイーを贅沢に200g、それにバナナ1本をミックス。さらにブラジルで採れるGuaranà(ガラナ)というカフェインやタンニン(疲労回復や滋養強壮に効果あり)を豊富に含んだ天然シロップをかけ、好みでシリアルや果物などをトッピングしてもらいます。

「Açaí(アサイー)を使ったドリンク」 4.5ユーロ

「シンプルな提案」と「誠実であること」をモットーに、健康的な食べ物を届けてくれる「フラゴーラ」。12時~15時のランチタイムと19時~22時のディナータイムには、ボローニャ旧市街地近郊であればデリバリー(オーダー金額が5ユーロ以上の場合。夜のデリバリーは9月まで)もしてくれます。ボローニャ旅行中に肉や炭水化物ばかり食べて胃が疲れた、という時に断然おすすめ。ホテルからのオーダーも可能です。
 
そして次にご紹介したいのが、新鮮なイタリア野菜をたっぷり使ったコールドプレスジュースが飲める店「Centrifuga(チェントリーフガ)」。外観がかわいいのでどんな方がオーナーなのかしら? と思って中に入ってみると、出迎えてくれたのはナポリ出身のTotò(トト)さん。14歳からコックとして働きはじめ、3年前にボローニャに移住。最初はオーガニック系レストランで勤務していましたが、自分の店を持ちたいという思いが高まって2014年末に「チェントリーフガ」をオープンしたそうです。

彼自身、ビーガンに限りなく近いベジタリアン(日本食が好きなので魚だけは食べるのだとか)のため、店で使う食材にもかなりこだわっています。使用している野菜や果物は、Vignola(ヴィニョーラ)という町でとれたDuroni(ドゥローニ:大粒で甘いさくらんぼ)やForli(フォルリ)という町から届いたキウイ、Tolè(トレ)のじゃがいもなど基本的にボローニャ近郊で栽培された安心食材のみ。そのほかの食材もシチリアの柑橘類やトレンティーノのりんごなど、イタリアの特産地で採れるものばかりです。イタリアで手に入らないマンゴーやバナナなどに関しては、フェアトレード認証を受けたもののみを使用するという明確な方針を持っています。

「エストラット」 250ml 3.5ユーロ、500ml 5.5ユーロ

月替わりのメニューは、15年のコック経験と食材や料理をこよなく愛するベジタリアンとしての経験から生まれたトトさんオリジナル。「デトックスしたい」とリクエストがあれば、Finocchio(フィノッキオ:フェンネル、茴香。消化・血行促進、利尿などに効果あり)を中心としたジュースを、「リラックスしたい」という声があれば眠りを誘導してくれるZucchine(ズッキーネ)をベースに作ってくれます。ちなみにこちらの店では、「チェントリフガート(ジュース)」のことを「Estratto(エストラット:抽出エキス)」と呼んでいます。砂糖はもちろんのこと、はちみつなど甘味料は一切使わないのにびっくりするほど甘味のあるジュースは、ぜひ一度味わっていただきたい一品です。

店ではジュース以外にも、ドルチェやランチメニューもあり! すべてトトさんの手作りで、ビーガン対応メニューになっています。上白糖は一切使わず、ほとんどのドルチェがグルテンフリー。体にいいもの、地球に優しい料理やドリンクの数々。トトさんの祖母の家にあった家具で飾られたかわいらしい店内で、ぜひ味わってみてください。きっとトトさんが材料の効能などを熱く語ってくれると思います!
 
>>最後は、アラブのゆったりとした風を感じられる店 「Naama Cafè(ナアマ・カフェ)」をご紹介!

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  • Mari●大手経営コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして勤務後、2006年に渡伊。2人の男の子のマンマをしながら「フェリチターリア」の通訳者・翻訳者・個人旅行同行アシスタントとして、「食の都」ボローニャを中心にイタリアの魅力を発信中。
    http://www.felicitalia.net/

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