特集 2013/10/15(火)
世界のおやつ from Bologna / Mari

チョコレートの魔法にかかってみませんか? 「チョコショー2013」

秋のひんやり澄み切った空気はボロニェーゼをワクワクさせてくれます。それは美味しいものであふれる季節の到来を意味するから。「今週はあそこでトリュフ祭り! 」「来週はこっちでワインが試飲できるカンティーナ・アペルタ! 」そして、わたしが一番楽しみにしているイベントのひとつ、チョコレートの魔法をかけてくれる「チョコショー」! 

ボローニャで2005年に始まったチョコレートの祭典「チョコショー(Cioccoshow)」。今年で第9回目を迎えます。毎年このお祭りの期間になると、街の中心、マッジョーレ広場は、イタリア全土やベルギーから集まったチョコレート自慢の職人たちで埋め尽くされます。

「たかがチョコレート」と言うなかれ、出店数は60店舗以上、そして昨年の期間中訪問者数に至ってはなんと29万人以上! 「世界最大のチョコレートイベント」として有名な「サロン・デュ・ショコラ(Salon du chocolat)」の本場、パリの訪問者数が13万人ですから、イベントに足を運んだ人の数ではボローニャに軍配が上がった、というわけです。
 
それもそのはず。この「チョコショー」は「サロン・ドゥ・ショコラ」のようにチケットを購入して訪問する展示会ではなく、入場無料! 散歩がてらに立ち寄って、しかもいろんなチョコレートの試食ができてしまうというから、おいしいもの好きのボロニェーゼが放っておくはずがありません。
 
このイベント開催は、ボローニャのチョコレート職人たちが「チョコレートをもっとみんなに食べてもらいたい! そして全ての人に幸せと感じる瞬間を提供したい! 」と夕食のテーブルで熱く想いを語ったことに端を発します。「高価なチョコレートばかりではなくて、ポケットにたった2ユーロしかない人でも、『どれにしようかな? 』って、“チョコレートを選べる幸せ”を味わってもらえるイベントにしたいと思ったの」と、語ってくれたのはオーガナイザーの一人、マリーナさん。
 
2005年の第1回目はサント・ステファノ広場にて4日間開催。そして2006年にはチョコレート職人達の思いがボローニャ市にも伝わりました。ボローニャ市は1860年以降、夏の映画上映会以外はマッジョーレ広場で2日以上にわたるイベントを禁止していました。しかし、「チョコショー」に対して、なんと異例の4日間という長期の広場使用許可をだしたのです。これは「この祭典をきっかけとしてより多くの人にボローニャを訪れてもらい、街の美しさを見てもらいたい」という「チョコショー」主催者の思いと、「これからより一層観光に力を入れていきたい」と思っていた市の思惑がいいタイミングで出会って実現したのだと思います。そして今でも「チョコショー」は2日以上(今年は5日間)に渡りマッジョーレ広場で開催される唯一のイベントとなっています。
 
祭典の期間中は朝から晩までたくさんの人が“幸せ”を探しにマッジョーレ広場にやってきます。そこにあるのは見ているだけで顔をほころばせ、幸せにしてくれるチョコレートの数々。(以下、昨年までの写真を用いて「チョコショー」の雰囲気をお伝えします。今年、同じものがあるとは限りませんのであしからず)

本物と見紛うようなレンチやナット、チーズに乗った愛くるしいネズミやパン。そして肉が大好きなボロニェーゼのためのサラミ。

ボローニャ名物のパスタ「トルテッリーニ(Tortellini)」も、ホワイトチョコレートで再現! 

靴を愛してやまない女子にはハイヒールを! 思いっきり食べたい男子にはチョコレートケバブを!!

赤ちゃんには哺乳瓶を! そして、お年寄りには入れ歯を!? iPhoneやiPadを買いたいけど手が届かないな……、と思っている人はチョコレートでどうぞ。カラフルな色もすべて自然の着色料を使用しているので安心して食べられます。
 
また、チョコレートとフルーツとの組み合わせもたまりません。

上品なサイズではなく、手のひらくらいある大きなオレンジピールをチョコレートでコーティング。

「フレッシュいちごのトロトロチョコレートがけ」も、いちごの酸味とチョコの甘さがベストマッチ。さらに甘党さんには生クリームのトッピングもできます。
 
そして何をおいても忘れてはならないのがチョコラータ・カルダ(Cioccolata calda)と呼ばれるホットチョコレート。

ボローニャのチョコラータ・カルダは、牛乳に風味付け程度にチョコレートが入ったサラサラタイプではなく、「僕はチョコレートです! 」と強く主張しているような濃~いトロトロ。大きな塔から流れ落ちるチョコレートを眺めるだけで夢の世界に引き込まれそうになり、これを一杯飲むだけで寒い日にマッジョーレ広場まで来た甲斐があったと感じます。

今年の「チョコショー」では、おいしいチョコレートを買い求める以外にも、「ラボラトーリオ(Laboratorio:工房)」、「スクォーラ(Scuola:学校)」、「コンコルソ(Concorso:コンテスト)」といった楽しみが盛りだくさん。「工房」では、チョコレートとジェラートの文化をより深く知るための職人によるエキシビション(入場無料)が行われ、各エキシビションの最後には工房で手づくりされた美味しいドルチェが見物客にふるまわれます。「学校」では、初心者向け、上級者向けに“チョコレートの匠”によるチョコレート制作指導(有料・各回定員12名)が行われ、本格的なチョコレートづくりの秘訣を教わることができ、また、子供向けのチョコレートの学校「チョコチンノ(Cioccocinno)」では、工房やワークショップ、読み聞かせなどチョコにまつわる楽しい時間が企画されています。そして、新聞社と共同企画である「チョコレートレシピ募集コンテスト」では、優勝者にはなんと「自分の体重と同じだけのチョコレート」がプレゼントされるそう。
 
さらに「チョコショー」の期間中は、マッジョーレ広場付近のレストランでは、カカオ豆を使った特別メニューなどを出すお店もあり、朝から晩まで、チョコレートの魔法に酔いしれる夢の時間がボローニャに流れます。日本のチョコレート好きの皆さん、ぜひ魔法にかかりにきてくださいね。

  • Mari●大手経営コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして勤務後、2006年に渡伊。2人の男の子のマンマをしながら、「フェリチターリア」の通訳・個人旅行同行アシスタントとして、「食の都」ボローニャを中心としたイタリアの魅力を発信中。
    http://www.felicitalia.net/

  • Cioccoshow – La Magia del Cioccolato
     
    開催場所/Piazza Maggiore、Piazza Nettuno、Piazza Re Enzo、Via dell’Archiginnasio、Piazza Galvani、Via Oreficiなどボローニャの中心地
    開催期間/2013年11月13日(水)~11月17日(日)
    開催時間/10:00~20:00(11月16日は、~0:00)
    http://www.cioccoshow.it
    https://www.facebook.com/cioccoshow

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