サンフランシスコのおしゃれなローカルが集まるミッション、ソーマ。GoogleやFacebook、FoursquareなどIT企業のオフィスからも近く、デジタルクリエーターやITエンジニアにも人気のこのエリアで定番の朝食スタイルが、コーヒー＆スイーツ＋自転車。「サード・ウエーブ・コーヒー」と呼ばれる、フェアトレードの豆を自家ローストし、一杯ずつドリップしたコーヒーがブームのこのエリア。こだわりのコーヒーと、コーヒーに合うドーナツやペイストリーなどのスイーツ系朝食が人気です。そして彼らの多くが自転車で立ち寄ります。4大サードウエーブコーヒーショップのひとつとして知られる「SIGHT GLASS COFFEE（サイト グラス コーヒー）」も、コーヒーとスイーツで朝食を楽しむローカルでにぎわいます。

写真は「コーヒー・ケーキ」。コーヒー入りではなく、コーヒーに合うということで名付けられたシナモンが効いたシンプルなパウンドケーキ。

ドーナツ専門店の「Dynamo Donuts＋Coffee（ダイナモ ドーナツ プラス コーヒー）」もブレックファーストに人気のお店。常時10種類あるドーナツはできる限り地元の食材を使い店内で手作り。生地にすりおろしりんごを練り込んで朝食に合う軽い食感に仕上げています。一番人気はメープル・ベーコン・アップル。メープルの甘さにカリカリベーコンの塩気が絶妙なアクセント！　そのほかレモン＆ピスタチオ、ストロベリー・アールグレイ、キャラメル＆アップルなど、それぞれに素材の味がしっかりして全然重くない。「毎日食べたくなるようなドーナツを作りたい」とオーナーは日々試作を重ねているそう。

そして、もうひとつの特徴は「自転車スルー」という点。パソコンの前で作業することが多いクリエーターやITエンジニアは意外と！？　ヘルシー志向。エクササイズにもなるし、エコや移動効率も高いということで自転車が人気です。出勤の途中に自転車でサクッとカフェに寄って朝食、テイクアウトしてオフィスで、というわけです。お店側も店内に駐輪場を設けたり（サイト グラス コーヒー）、自転車も一緒に持ち込める席やカウンターを用意したり（ダイナモ ドーナツ プラス コーヒー）と、自転車フレンドリーな設計。駐輪スペースにはオーダーメイドのこだわり自転車がズラリと並ぶことも。

さらに特徴的なのは、サンフランシスコ内のカフェ同士のコラボ。例えばコーヒー専門店の「サイト グラス コーヒー」は近くのカフェやベーカリーからスイーツを仕入れて、そのお店のプロダクトとして売っています。「ダイナモ ドーナツ プラス コーヒー」もサンフランシスコの10軒のカフェに計1000個近くのドーナツを卸していて、それぞれのカフェは「ダイナモドーナツ」として売っています。それぞれのカフェがすべてをオリジナルで作ろうとせず、「餅は餅屋」ということで、ローカルのお店同士が得意分野をいかしてコラボしています。「みんなサンフランシスコが大好き。だから競争するんじゃなくて、いいモノを無駄なく（効率よく）シェアしていきたい」とはダイナモドーナツ＋コーヒーのスタッフ。
 
みんながウィンウィンでハッピーになるビジネスのヒントがサンフランシスコの朝食にあるのかもしれません。