東欧ムーブメントの兆し! ワルシャワから届いた 新しくて懐かしいデザイン
東欧のポーランド。民主化から四半世紀が経ち、首都ワルシャワでは若手クリエイターを中心に、独自のカルチャーが花開きつつある。アクタス新宿店・京都店に今注目の新旧ワルシャワデザインを見に行こう。
1989年に民主化したポーランド。ここ5〜10年くらいでワルシャワは急激に発展し、毎日のようにいろいろなお店がオープンしているそう。そんなワルシャワのデザインシーンの中心にいるのが、グラフィックからプロダクトまで手がけるママスタジオ。来日していたママスタジオのクリエイティブディレクターのマグダレナ・ポナガイホさんが、日本ではまだ知られていないポーランドのデザインや、ワルシャワの今について教えてくれた。
「今のワルシャワのデザインシーンには、2つの大きな潮流があると思います。大きなブランドが新たにできて伸びている一方、クラフツマンシップを大切にデザイナーが自身で生産しているような陶器や木工作品も多いですね。これまで西側諸国から生産拠点国と見られていたポーランドですが、この国のデザインを海外に向けて発信していく場にしたいと思って、2015年にホテル『アウタールーム』をオープンしました」
ママスタジオが手がけた4室のみの小さなホテル「アウタールーム」には、最新のワルシャワデザインが詰まっている。
「古い建物の空き物件があると聞き、最初は自分たちのスタジオにしようかと考えていたのですが、実際に見たら自分たちだけのものにするのはもったいないとても素敵な空間! たくさんの人に見てもらえるようホテルにしました」と当時のことをとても興奮した様子で話してくれた彼女。
「4部屋しかないホテルとはいえ、オリジナルアメニティも地元ワルシャワのデザイナーや企業と作っています。“アウター”は、ポーランド語で著者や作り手という意味。ベッドにはBeza Projectによる手染めのラムウールのブランケット、廊下には若手の木工職人の家具など、ポーランドデザインの今を体験してもらえる場所です」
共産主義時代にはレストランやバーはなく、家に友人を招いての食事が人々の楽しみだったという。海外に行くこともできなかったため、独自に調度品としてのクラフトやデザインが発展。そして今、若い世代が改めてその頃のデザインの魅力に気づき、ヴィンテージ市場も活気づいているそう。
クリスマスも近づくこの季節、新しくて懐かしいワルシャワのデザインアイテムは気の利いたギフトとしても喜ばれそう。まずは、アクタス新宿店および京都店でワルシャワの最旬デザインをチェックしてみて。
photos : KENSHU SANNOHE text : SANAE SATO
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『東欧・ワルシャワ デザインの情熱』展
開催期間/開催中~12/25(アクタス新宿店・京都店ともに)