「フード スワップ」って知ってる?~アメリカでブームの手作りおやつ交換会
「フードスワップ」とは、手作りのスイーツやスナック、ジャムやドリンクなどを持ち寄って物々交換するイベント。アメリカではカリフォルニア、ニューヨーク、フロリダ、オレゴンなどを中心にサスティナブルなライフスタイルへの意識が高い人達の間で注目されています。今回はフロリダ州都、タラハシーのオーガニックファームで行われたフードスワップイベントをレポート。
ファームのWebサイトやフェイスブックなどでイベントを知って申し込んだ参加者が、それぞれ自慢の手作りおやつを持参してファームに集まります。持参したおやつをテーブルに並べ、自分の名前、材料や食べ方などを書いたカード、試食用のサンプルをセットします。自分の胸にもネームタグ。
参加者は30人。この人数が物々交換をスムーズにする上でちょうどいいのだそう。約30分間、他の参加者のおやつを見て回り、お目当てのおやつが見つかったら希望者欄に名前を書き込みます。たくさん持参した人は、たくさん交換できる可能性があるということ。もちろん、人気なもの、そうじゃないものが出てきます。
そこで、そのおやつが欲しいという希望者と、おやつを持参した人との交渉が始まります。「これはフルーツトマトのジャムで、サンドイッチやアイスクリームに使えて便利よ」とアピールしたり、「あなたのそのパウンドケーキすごくおいしいから、私のクッキー2袋と交換するのはどう?」と提案したり、交渉を通じておすすめの食べ方、作り方、材料の購入場所、さらには地元のおいしいスイーツショップ、料理教室の情報などおやつにまつわるトークが盛り上がります。
ラッピングもエコフレンドリー。再生紙や空き瓶、くり返し使えるメイソンジャーなど。
この日私が持参したのはジンジャーシロップ4瓶と抹茶クッキー4袋。交換してゲットしたのは計8点。バスケット左から、かぼちゃ、ひまわり、亜麻仁の種を使ったオニオンクラッカー、ミディトマトのジャム、ケールのガーリック風味ペースト、ラベンダーフレーバーのジントニック、自家製チェリージャムのミニパイ、しょうがの砂糖漬け、自家製バニラリキュール、自家焙煎したてのコーヒー豆。どれも素材の味と風味が豊かな完全スローフード。なんだかとっても得した気分♪ 交渉に敗れて(笑)、ゲットできなかったおやつも、レシピだけシェアしてもらうことができました。
なんでもお金で買える今、物々交換という原始的な方法は意外とスマートなアイディア。無駄が出ないから、自分がかけたコストと等価、もしくはそれ以上のものをゲットすることができるんです。イベントを通じて情報交換、コミュニティ作り、サスティナブルな食環境への意識も高められます。フードスワップ、日本でも広がるといいですね。
-
Food swap network(フードスワップ ネットワーク)
フードスワップを紹介するwebサイト。イベント運営の仕方、ルールなどがレクチャーされています。
http://foodswapnetwork.com/what-is-a-food-swap/
-
田丸 紀子(たまる のりこ)●フリーランスエディター&ライター。アパレルメーカーでの勤務を経て出版社へ。女性ライフスタイル誌、料理雑誌、フードドキュメンタリー書籍な どの編集を担当。2013年よりアメリカ・ベイエリア在住。朝食は焼き菓子かアイスクリームが定番。