特集 2013/5/27(月)
世界のおやつ from Paris/Mademoiselle A

「夢のパティスリー」がつくる、絶品パリ・ブレスト

フランスのパティシエ、ショコラティエには「チョコレートの魔術師」、「タルトの魔術師」のように、その道に抜きん出た職人を表す最上級の褒め言葉として“マジシャン”という言葉を使うことがしばしば。そんな色々な“魔術師”がおわすパリのお菓子界で、私がこの人こそ本物の魔法使いに違いない! と思っているのが 「La Patisserie des Reves」なのです。

“夢のパティスリー”という名前の「La Patisserie des Reves」を率いるのは、フィリップ・コンティチーニ氏。現在パリ市内に3店舗、そして昨年秋に京都に初の海外支店をオープンさせたので、ご存知の方もいらっしゃいますよね?今回紹介するおやつ、パリ・ブレストは開店当時からの人気スイーツです。

パリ・ブレストというお菓子は、リング状に絞り出したシュー皮に、焙煎ナッツをペーストにしたプラリネとバター、お砂糖などを混ぜてつくるプラリネクリームを間に詰めたもの。シュークリームに似ていますが、中のクリームが香ばしく濃厚で、パティスリーやビストロのデザートとして長く人気を誇っている1品です。由来はパリとフランス西部にあるブレストという都市間を走る自転車レースを記念してつくられたもので、リングの形は自転車の車輪を模したものと言われています。

ただ~し、コンティチーニ氏のつくるパリ・ブレストは本来のそれとは似て非なるもの。見た目からしてパールのネックレスのような球形をつなげたかわいらしさ。これには、デザイン性だけでなくきちんとした理由があるのだそう。つくり方はまず、プラリネ用のナッツを毎朝厨房で挽くところからスタート。そしてひと口ずつ食べられるようにと考えた球形のシューの中に、口どけの軽さを実現すべく、空気が均等にクリームに入る専用の絞り器を使ってひとつずつ注入してゆきます。さらに中心部には核となるキャラメルクリームをしのばせ、上部の皮をかぶせて完成♪ クリームに対する空気の割合、ひとつの球形に適したクリームの量。文章にすると簡単ですが、プラリネの食感に軽さを持たせることで濃厚さを失わないようにと、独自に加えたキャラメルクリームの風味やバランスなど、何度も試作を重ねたそうです。

ここのパリ・ブレストを食べるまでナッツ系のお菓子が苦手だったのが、今ではパリで一番美味しいと確信するほど。ほかにも、タルトタタンや季節の果物を使ったタルトなど、ひと口食べただけで素材が喜んでいる味が感じられて頬がゆるんでしまうのです。お店の内装もモダンでキュート。

アクセサリーのようにディスプレイされているので、眺めているとどれも食べたくなってしまい、つい買い過ぎてしまうことも。こんなところにも「魔法使い」のマジックが隠されているようです。
 

  • Mademoiselle A●女性誌の編集に携わったのち、2003年に出版社を退社、渡仏。パリをベースに食やビューティー、インテリアなど雑誌や書籍のコーディネイト&執筆を手がける。美味しいおやつとコーヒーをそばに、編み物に没頭するのが至福の時間。

  • La Patisserie des Reves
     
    111,rue de Longchamp Paris 75016
    tel. 33+(0)1 47 04 00 24
    営業時間/10:00~20:00(土日は、9:00~)
    定休日/月曜
    http://www.lapatisseriedesreves.com/

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