特集 2013/3/4(月)
新連載! 世界のおやつ from London/五月ギャンブル

英国的ローカルスイーツ「スティッキー・トフィー・プディング」!

ニューヨークの「マグノリア・ベーカリー」で6年間ケーキ・デコレーターとして何千、何万個ものカップケーキをつくった私。その中の1つは、あの『Sex And The City』のキャリーの食べたカップケーキ! 現在はロンドン郊外の自宅でカップケーキ・レッスンを開催中。これから毎月、イギリスの素朴で伝統的なおやつを紹介させていただきます。

イギリスではデザートのことをひとくくりで『プディング』と呼ぶことを知ったのは、10年住んだニューヨークを後にしてこちらに嫁いで来たばかりの時。レストランで食後に「デザートは何にします?」ではなくて、「プディングは何にします?」と聞かれる日常にも慣れて来た今日この頃です。そのプディングの中の王様とも言えるのが、今回紹介する「スティッキー・トフィー・プディング」!

イギリス人は食事でもプディングにしても、食べ応えがあってグレイビーやソースがたっぷりかかっているどっしり系のモノが大好き。このスティッキー・トフィー・プディングもその類にもれず、存在感のある焦げ茶色のスポンジの上に温かいカスタードクリームをたっぷりかけて豪快に食します。洗練されていて華麗なフランス菓子とは相反するこのスポンジの色と、独特のねっとり(スティッキー)した味と食感は、メインの材料であるナツメヤシのおかげ。必ず温かい状態でサーブされるので別名『冬のプディング』とも言われているこのプディング、オーブンで焼くのではなく蒸し器で蒸すという伝統的な調理法も、その独特の味とスティッキーさを引き出す秘訣なのだそう。
 
この素朴なスティッキー・トフィー・プディング、洒落たレストランなんかで食べるより田舎のパブでほっこりと食べる方が断然お似合い。お値段はだいたい5ポンドから7ポンドくらいです。それぞれのパブによってオリジナルのレシピがあったり、サーブする方法もさまざまなので、それを食べ比べるのもまた一興。ドライブがてらに友人と一緒に訪れたこのパブでは、カラメルソースの上に積み重ねられた温かいスポンジに、アイスクリームが乗ったバージョンでございました。

アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットが去年イギリスを訪れた時に初めて口にして虜になったというこのスティッキー・トフィー・プディング。イギリスに来る機会があったら是非トライしてみて!

  • 五月ギャンブル●Satski Gamble。ニューヨークのマグノリア・ベーカリーでケーキ・デコレーターとして修業する傍ら、ロック・バンドのメンバーとしても活動。ロンドンのレコード会社と契約後、渡英。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキとデコレーション』。
    http://satskigamble.com/

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