お店の名前は「サウス・フィリー・ステイクス」。ニックさんが創設したIMGアカデミーのすぐ近くにあります。アカデミー正面玄関には銅像も飾られるほどのレジェンド。
 
アカデミー近くに住むニックさんは、このお店がオープンした約15年前からの常連。「ほぼ毎日、ランチに来ているよ。ケイ（錦織 圭選手）や僕が教えたテニスプレーヤーたちをみんなここに連れてきているんだ。ケイはだいたいいつもこの奥の席に座ってる」と右奥の席を指差すニックさん。

ちなみにニックさんの特等席は窓側奥のテーブル。そこには「Reserved」のプレートがありました。毎日来て同じ席に座るので、いつしかお店のオーナーが、この席をニックさん専用に。ランチで混み合う店内には、彼を知るアスリートやコーチ、ご近所の人などがたくさん。「Hi Nick！　How are you doing？」と声をかけていきます。

こちらはニックさんお気に入りのチーズステーキサンドイッチ。細かく切ったお肉と唐辛子、飴色にグリルした玉ねぎを炒めて混ぜ合わせ、チーズをのせてとろけさせてロールパンに挟んだもの。材料を聞くとシンプルですが、とても旨味があって誰が食べてもおいしいと思うであろう完璧なバランス。

お店の人においしさの秘密を聞いてみると「チーズステーキサンドイッチはフィラデルフィア発祥のもの。フィリーサンドイッチとも呼びます。私の両親（オーナー）が現地で何十軒と食べ歩いて研究を重ね、材料もこだわって選んでいます。お肉は冷凍されたものは使いません。パンはフィラデルフィアにあるパン専門店 Amoroso（アモロッソ）からフレッシュなものを1日おきに仕入れているんです」とアシェリーさん。「チーズステーキサンドイッチは、最近はご褒美メニューとしてたまに食べるようにしているんだ。健康を考えて、いつもは他のものを選ぶようにしているよ」というニックさん。他のものとは……

マヒマヒ・ブロッケンサンドイッチ（12.95ドル）。白身魚のマヒマヒをブロッケンというアメリカ南部でおなじみのミックスハーブ＆スパイスでソテーし、オニオン、トマトのスライスと一緒にバンズで挟んだもの。ソース類は使わず、ふっくらとやわらかいマヒマヒ、甘みのあるバンズに加えて、ハーブとスパイスが絶妙なアクセントに。おいしい！

また時にはサンドイッチの代わりにサラダをオーダーすることも。レタス、トマト、きゅうり、オニオン、クランベリー、くるみ、フェタチーズにボリューミーな鶏むね肉がトッピングされた、その名も”ボロテリー・サラダ”。「オーナーが名付けたんだ。僕の好きな食材が使われているからかな。うちのワイフも大好きだから、よくテイクアウトもするんだ」。

ニックさんがサンドイッチやサラダと必ず一緒にオーダーするスープ2種。レギュラーメニューのチリコンカンスープ（3.99ドル）と日替わりスープでこの日は白いんげん豆とハム、オニオンのスープ（3.29ドル）。

これまでテニスクリニックや講演で何度か日本を訪れたことがあるニックさん。「日本でお店を出す可能性は？」と訊ねると、ニックさんとお店のスタッフは「いいアイデアだね」との反応。この味は日本人にもウケること間違いなし。“サウス・フィリー・ステイクス日本上陸”。そんなニュースが出る日が来るかも！？　今から楽しみです。