翼を持たずに生まれてきたとしても、自分の翼が育つのを妨げてはならない。

If you're born without wings, don't do anything to stop them growing.

“翼”とは、「仕事の能力」と捉えてもいいし、あるいは「夢を叶える力」や「人生における可能性」と解釈することもできそう。もともと「もって生まれた何か」なんて取るに足らないもの。すべてはゼロから自分自身で育てていけるのだから……。ガブリエル シャネルの言葉は、現代のワーキングガールたちにそんなエールを送ってくれる。

多感な少女期に母を失くし、父とも別れ、孤独を抱えながら成長していくシャネルは、女性としての“自立”を、人間としての“自由”を獲得するために、迷うことなく働く道を選択した。洋裁店で縫製の仕事からスタートし、パリに帽子店を開く。カンボン通りへの出店に続いて、避暑地ドーヴィルへも進出。そこで始めた服作りが、デザイナーとして羽ばたくきっかけとなった。

キャリアアップの階段を駆け登るとき、人は必ず逆風にさらされる。だけどシャネルは風の捉え方を知っていた。逆風が強ければ強いほど高く上昇していけることも。それは彼女が自力で育んだ“翼”。仕事への情熱という“翼”に違いない。