エディターズPICK 2018/5/24(木)

カンヌのベストドレッサー、ケイト・ブランシェットが魅せた、麗しき社会派ドレス10

第71回カンヌ国際映画祭の審査委員長を努めたケイト・ブランシェット。2006年から、カンヌ映画祭でのケイトのスタイリングを担当しているエリザベス・スチュワートが、今回のカンヌのドレスに込められたメッセージを伝えてくれた。

映画『オーシャンズ8』のスタイリングも担当しているエリザベス。多忙を極める彼女は、カンヌへはめったに同行せず、クライアント(女優たち)にシューズやジュエリーまでを含めた各ルックの詳細を記した分厚いPDFファイルと、分かりやすいように透明なガーメントバッグやケースにすべてのドレスや小物を入れて、ひとりで現地入りさせることが多い。
 
しかし、今回はエリザベス本人も現地入りして臨んだカンヌ映画祭。クライアントのケイト・ブランシェットとは今回入念な打ち合わせを行い、極めてメッセージ性の強いルックを完成させた。エリザベスは、カンヌでのレッドカーペットスタイルを「メッセージを伝えるひとつのよい機会」と捉えている。

初日の「アルマーニ プリヴェ」の“着まわしドレス”に象徴されるように、今回のスタイリングはファッションとジュエリー業界における“エシカル”と“サステナビリティ”と同時に、ハリウッドやファッション業界における女性像に対しての挑戦という2つのテーマで成り立っている。たとえばTシャツひとつとっても、毎日20億枚が売買されている。主なブランドやリテールの在庫は35%を超えると、逆に廃棄するほうがお金がかかるという状態で、不法投棄や違法な転売などの行為も後を立たない。
 
「クチュールからTシャツまで、リユースもリサイクルもされず無駄に廃棄された服で、ゴミ処分場が占拠されている。特に今日のような状況では、こんなにも美しい服が大切にされず、一度着用したらそれまで、なんて状況は単なるわがままだし、馬鹿げているとしか思えない」とケイト。スチュワートも、「どんなに気に入っていて、何度も着たいほど愛しているドレスを着まわしてはいけない、なんてルールにどんな意味があるというの? 何百時間もかけて作成されたクチュールドレスでも、一度来たらそのままゴミ処分場行き、というだけの話ではないの。同じドレスを二度着てはならないなんて馬鹿げた観念自体をなくさないといけない。美しい服は一生もつべきものなのだから」

photo:GETTY IMAGES text:RYOKO TSUKADA

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