規模は小さいながらも、特定のニーズに合わせたマーケットを指す“ニッチ”。フレグランス界では、独自のセンスをもち、従来とは異なる斬新な手法でオンリーワンの香りをつくるニッチなフレグランスブランドが続々登場。
哲学と法律を修め、今はフランスでクリエーションを行う英国人調香師ジェームス・ヒーリーが手がける「ヒーリー」（写真右上）もそのひとつ。ひとつのモチーフからまるで夢の中で物語を紡ぐように独創的に香りの要素を重ねていく手法は、ベースやトップといった調香の構成にとらわれず自由で重層的な香りを生み出す。「フェギア 1833」（写真左上）は、ブエノスアイレス生まれのパフューマ－、ジュリアン・ベデルが自らが愛する詩やタンゴなどを南米パタゴニアの植物の香りによって表現する、ユニークでラグジュアリーなブランド。調香に用いる100種類以上のエッセンスはすべてユニークで希少性が高く、日本国内では直営1店舗のみでしか入手できないというのもニッチな証。
 
旅もニッチなプランがトレンド。ネットを駆使して「AirBnB」や「カウチサーフィン」など個人宅の宿泊利用がメジャーになっている今、ついにはSNSで旅の仲間を集ってしまう人も！　渡航先は、絶景を見るべく中南米のペルーやメキシコに、はたまた社会主義国ならではのムードを味わためにキューバへ……などなど、南アメリカの人気がアップ。地域に限らず、個性に合った旅のカスタマイズもトレンドに。ただいま半年前でも予約が取れないと話題なのが、オーストラリア縦断鉄道「THE GHAN」（写真下）。豪華な寝台列車にステイしながら、ところどころで停車し、大自然にある世界遺産を味わうという贅沢さが魅力。2016年の旅は、よりニッチでより個性にフィットする“スタイリング”を重視した方向性にシフトすること間違いなし。