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INTERVIEW : VERONIQUE PHILIPPONNAT

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マーク・ジェイコブスが「ルイ・ヴィトン」を卒業

1997年から「ルイ・ヴィトン」のアーティスティック・ディレクターを務めたマーク・ジェイコブスがついに退任。メリーゴーラウンドやエスカレーターなど、これまで手がけた同ブランドのショーに登場したあらゆるモチーフが、すべて黒塗りにされたラストコレクション会場も話題を呼んだ。ショー後のマークに独占取材を敢行した仏「エル」の独占インタビューを、今回エル・オンラインで全文掲載!
 
 
―ラストとなったショーに、以前のコレクションに見られた要素を全て再び盛り込みましたね。でも、真っ黒だった。なぜ?
 
マーク・ジェイコブス(以下MJ):黒こそ“パリ”だからさ!  パリらしさを礼賛するのに、これ以上ふさわしい色ってある?  バーバラ、エディット・ピアフ、ジュリエット・グレコ…この女性たちはみんなブラック(を着ている)。それから、僕のガールフレンドたちは美しく装おうとするとき、みんな黒を着ているよ、そうだろ? スタジオで、最初は白を試してみたんだよ、最初はね…。でも、全然うまくいかなかったんだ!
 
―噴水、メリーゴーラウンド、エレベーター。「ルイ・ヴィトン」でかつて見せたショーの装飾を全て再現しました。なぜ?
 
MJ:それはいわばサイクルを完結させたということ。モデルたちにショーガール風のオーストリッチの羽根飾りを頭に付けた。つまり、“ショーは続くよどこまでも”ってことを言いたかったんだ。またこれは僕たちの世界の暗喩でもあるんだよ。モード界のね。僕たちは皆“エンターテナー”だし、表面(外装・装い)の一大イベントは、アムール(愛)のイベントと同じくらい尊敬に値するもの。それはひとつの愛の形、女性たちに対する愛、言い換えればパリへの愛だね。パリ(という街は)サーカスのようなもの、世界で最も美しいサーカスだよ! つまり、僕の結論なんだけど、このショーは愛が詰まったイベント。それがすべて。
 
―髪飾りとショーガール風のスパンコールのコスチュームから見えたのは、ボーイフレンドデニム、ブーツなど極シンプルなアイテムたちでしたね。
 
MJ:そう。とても感動的なコントラストさ。スウェットシャツ、バイカーズジャケット、Tシャツなど、もっとも基本的なアイテムを、素晴らしく美しい黒の手刺繍ができる(優れた)アトリエの職人達と一緒に作り上げるという対比。(この対比は)僕のそもそもの根っこ、“パリのアメリカ人”という側面を振り返ったとも言える。
 
―小物についても同じことが?
 
MJ:その通り。すべてを黒で再現したんだ。ダミエ、スティーブン・スプラウスのグラフィティを、オールヌードの女性の体の上で黒で表現して、ショーが幕を開けたわけだけど…。有名な“ノエ”バッグをすごく小さく、かつ“クリーン”にしたりもした。伝説のサックソー(バケツ型バッグ)を本物のモダニティで味付けするために、いろいろな異なる要素を付け加えながらね。
 
―こう聞くと、あなたが率いてきた「ルイ・ヴィトン」がこれで最後かと思われるのですが…。
 
MJ:知ってると思うけど、毎回「コレが最後のショーになる」と思いながら仕事をしてきた。それが僕にとって最良の可能性を引き出す手段なんだ。
 
―あなたの周囲の人たち、お友達も、感極まっている様子でした。あなたのパートナー、ロバート・ダッフィーは目を赤くしています。あなたもでは?
 
MJ:知ってるだろ、僕はいつでも感傷的なんだ、こんな風にね。でもね、本当のこと言うと、今日はとりわけ幸せなんだ!

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PHOTO : IMAXTREE

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