先日トイズファクトリーが推す期待の新人アーティスト、向井太一のライブに初参戦。ルックスは一見、『ホームアローン』時代のマコーレ・カルキン、または坂口健太郎くん風の今どき塩顔男児。しかしパフォーマンスを始めるとその甘めなルックスから想像できない、ソウルフルで堂々とした歌いっぷりにすっかり彼のファンに。1stアルバム『24』を早速ゲット。

彼のいちばんの凄味と言うと、曲に合わせていろいろな顔を見せるカメレオンぷり。この最新アルバムでは、いわゆるジェイムス・ブレイクを彷彿させるエレクトロサウンドやBOYSⅡMEN調のR&B、王道バラードまで幅広いジャンルに挑戦。ひとつのアルバムとして多様性があり、試聴者を飽きさせないように工夫しつつも、不思議とすべて“向井太一の音楽”としてまとまっているのです。

最新の『エル・ガール』の“it”ガール特集でも“宅録系女子”が紹介されていましたが、元はというと、彼も“宅録系男子”。家のPC1台で作った曲を、音楽共有サービス「SoundCloud」で毎月定期更新しているうちに、口コミからカリスマシンガーとして名が広がりレーベル契約に至ったというミレ二アル世代らしい成功のエピソード。

ライブ中には、「実は歌だけではなく接客業の仕事もしてるんですけど、やっぱり歌だけやりたい」という暴露に、女性ファンから「がんばれ～！」との声援も。「さっきの曲は、バイト先の会社で上司にムチャブリされたときに思いつきました」「皆さんは嫌な上司とかいますか？」などフリートークでは、彼らしいぶっちゃけ話もあり。そんなバイト先への不満をステージ上で思わずこぼしてしまった彼の姿に私含め、会場内のファンも「もっと向井くんを応援して、歌だけやらせてあげなきゃ！」という気持ちに。

帰り際ロビー付近にて開催されていた握手会でも、接客業の経験を生かした（!?）サービス精神で、キラースマイル付きの神対応を披露。作詞、作曲もこなす実力派シンガーとしてだけではなく、アイドルとしてのポテンシャルも感じさせました。先日、生ライブを披露したJ-WAVEのラジオ番組でも、「自分は特定のスタイルにこだわらず器用に仕事をしていきたいし、いろいろ挑戦したい」と話していたのも納得。ジャンルレスに音楽を紡ぎだす彼の今後の活躍が楽しみです。