「モテ」「男ウケ」ダメ、絶対! モテのくだらなさを教えてくれるドラマ「プリーズ・ライク・ミー」
自信がない人ほどモテたい、男受けしたいと思うもの。「そんなこと考えても幸せは手に入らないよ」と教えてくれる、最近ハマったドラマがもう……。
仕事関係のお友だちに「『ブスでも大丈夫なんだ』って勇気づけられた」と勧められたのが、オーストラリアのアカデミー賞に輝いたコメディ「プリーズ・ライク・ミー」。コレにどっぷりハマりました。
アメリカではHulu、英国ではアマゾン・プライムが輸入したところ、まず両国のLGBTQメディアが「マジ、すげぇ」「オージーおそるべし」と騒ぎ、大手メディアも続いてピックアップしていたため、タイトルだけは知っていたものの、どうあがいても(違法系じゃない限り)見られないのでスルーしていたところ、日本ではNetflixが輸入してくれたためこの度チェックするハメに。
そしたらすごいのです。2日で4シーズンすべて観終えました。
ひとことで言うなら「LGBTQ版『GIRLS/ガールズ』」。
若者の仲良しグループが、淡々とした日常のなかで繰り広げる膨大な会話と、ウィットに富んだフレーズ、そしてちょっとした荒波を楽しむドラマです。
絶対にモテない系の大学生(若ハゲが気になる)の主人公ジョシュが、同棲中の彼女に別れを切りだされ「あなたゲイだし」と断定されるシーンからスタート。
で、彼女はその直後に同じ家でルームシェアしている彼の親友と付き合い出しちゃうのです。
のっけからエンジン全開です。
東海テレビなら、ドロドロの恋愛ドラマにしちゃいそうなシチュエーションですが、カラッとしています。
このあたりも「GIRLS/ガールズ」と似ています。
親友と彼女はジョシュの出会いを応援したりするのですが、とてもニュートラルな人物像として描かれていて、「ゲイ? あ、そう」くらいな勢いなので、下手な地雷を踏まず、そのおかげで主人公の性的志向がそのうち結構どうでもよくなってきます。
というよりもこのドラマ、メインテーマはLGBTQではなくて「メンタル」。
心がどこか壊れている人たちが、どう世の中に晒され、巻きこまれ、もがきながら生きていくかに重きがおかれているのです。
そして何よりも若者の物語なのです。
それを、全開の下ネタと絶妙なギャグセンスの間に挟み込み、繊細に表現してくれている、まさに笑いと涙のミルフィーユやぁ!
彦摩呂氏の食レポを唐突にぶっこんできたのにはワケがあります。
このドラマの各タイトルはほとんどが食べ物にちなんでいるのです。このあたりは同じ年にスタートした「ハンニバル」に似ています。料理好きの主人公というところも同じ。
あちらは若干キモいですが、こちらは本当においしそう。
毎回ジョシュはじめ各登場人物がつくる、おいしそうなごちそうと調理シーンにも注目できます。
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KEIICHI : デジタルフィーチャー&ニュースエディター。最近、猫を飼ってしまいたい欲がむくむくと沸いてきて悪魔の誘惑と闘うのに必死。石をパンに変えられても変えちゃいけないの! と言い聞かせ、代替物になりそうな猫キャラ、猫画像、猫グッズなどなどあらゆるものを周囲から排除することに……したのですが、仕事で猫と絡む機会が出てきて誘惑に負けそうです。試練だと思って乗り越えます。