【Vol. 7 きゅうり―Concombre】
日本の夏には欠かせない野菜、「きゅうり」。食卓ではおなじみのこの野菜にも、きれいと元気を取り戻す力が。アロマテラピストの日下部知世子さんが、今回はそんな「きゅうり」について解説。

水分がたっぷり!
夏野菜の代表としても挙げられる「きゅうり」。その90%以上が水分から成り、ほてった体を鎮める効果や保湿効果が大。またビタミンCやカリウム、カロチンなどを多く含むことでも知られる。利尿作用に優れ、体内の老廃物を排出するのに有効な「イソクエルシトリン」が多いのも特徴的。
        
青臭さのゆえんは血液をサラサラにする成分
独特の青臭さは「ピラジン」という成分によるもの。これには血液をサラサラにする効果があり、高血圧や血栓、心筋梗塞、脳梗塞といった症状の予防にもなる。また、皮膚や目などの粘膜を健康に保つ働きも。きゅうりに含まれる「アスコルビナーゼ」と呼ばれる酵素はビタミンCを破壊してしまう性質をもつので、レモンと一緒に摂ると損失を防げるのも知っておきたい。

抜群の保湿効果
フランスでも古くから、豊富な水分量を生かした美容パックやローションなどに使われていた。肌の保湿や、熱をとってほてりを抑える効果があるほか、ビタミンCによるコラーゲン形成も期待できる。さらに肌を引き締める働きもあるとされる。
   
ヴァルネ博士のきゅうりレメディ
火を通して食すと、軽い腸の炎症に効果がある。
便通改善、浄化作用、利尿作用、軽い催眠作用、解熱、胆汁質・多血質の解消、痛風・関節炎の緩和など。
外用では、乾燥によるかゆみの緩和、肌の保湿効果。

きゅうりでビューティケア
   
■きゅうりの乳液
きゅうりのゆで汁(冷ましておく)250g
スイートアーモンド(殻を取ったもの)50g
バラのエッセンス 1g
アルコール 250g 
   
スイートアーモンドを乳鉢でする。そこにきゅうりのゆで汁を加えてよく混ぜ、さらにバラのエッセンスとアルコールを加える。モスリンでこして乳液として使う。
    
■オイリー肌用のきゅうりローション
きゅうりのゆで汁(塩を入れないこと)を、ローションとして用いる。
暑い時期の皮脂の過剰な分泌を抑える働きがある。
     
■きゅうりの保湿パック
輪切りにしたきゅうりを顔に貼りつけて10分置く。
しわの改善に効果がある。
    
■そばかすに効くきゅうりミルクローション
輪切りにしたきゅうり1本分を1日漬けた牛乳をローションとして用いる。
       
■肌荒れに効くバーム
こしたきゅうりのゆで汁 300g
無塩ラード 250g
牛脂 150g
ローズ水 3g
トゥルーバルサムの精油    0.5g 
  
すべての材料をボウルに入れてなめらかになるまでよく混ぜる。
手足のあかぎれや唇のひび割れ、軽い皮膚疾患や炎症などに効果がある。
  
※きゅうりに含まれる「ソラレン」という物質には、紫外線を吸収しやする作用がある。炎症や色素沈着を引き起こす可能性があるため、必ず夜のケアとして使うこと。
※効果や効能は人によって異なります。

  • 日下部知世子
    Chiyoko Kusakabe/フランス、マダガスカルなどでアロマテラピー(芳香療法)・フィトテラピー(植物療法)を修める。故ジャン・ヴァルネ博士よりアロマの哲学を受け継ぎ、後継者マダム・ティフィーヌに師事。2001年ヴァルネ夫人より正式継承者として承認される。国内・海外を含めたスパ施設のプロデュースやコンサルティング、心身に効果をもたらす化粧品開発でも活躍。   
    http://chiyokokusakabe.com/

photo : Yusuke Kinaka

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