パリジェンヌのラブ&セックス本音白書 2015<カリーヌ編>
「恋多きフランス女性」と言われるけれど、その実態は? パリジェンヌたちの恋愛とセックスに迫る本企画。今回は、足掛け12年も同じ男性と付き合っているというカリーヌの本音を訊きだします。

■“私も子供がほしいと思っているはず、と自分に言い聞かせているところ”―カリーヌの場合
Karine カリーヌ[34歳]/コンサルティングオフィス勤務 アシスタント
―普段の生活や仕事について教えて。
以前はシャンゼリゼ界隈にある大きな会社で社長のアシスタントとして休み返上で仕事一色だったの。今は2区にあるコンサルティングオフィスに移って2年経ったわ。周りは男性ばかりの小さなオフィスだけど、皆優しくていい人たちなので働きやすいわ。アシスタントは私ひとりだけで結構いろんな分野の仕事を任せられているから、結構忙しいけど。
―特定のパートナーはいますか?
別れたり、また付き合ったりというのを繰り返している恋人がいるのだけど、トータルすると約12年間付き合っていることになるわ。初めて出会ったのは高校生のときだったの。
―彼との出会いはどんな風だったの?
高校生のときに友人の誕生会で会ったのが始まりよ。格好よくて面白かったから、すぐに好きになったわ。でも当時ふたりとも付き合っている人がいたから、それぞれの恋人と別れるのに3カ月かかったわ。そのあとにようやく付き合えるようになったのよ。
―彼はどんな人?
文房具関係の会社で営業をしています。35歳よ。
―現在の恋人を含めて、これまで真剣に付き合った男性の数は?
12年トータルで付き合っているとはいえ、別れていた時期もあるから……。真剣でそれなりに長い間付き合った人の数は全部で3人。
―彼と会う頻度は? デートのときはどんなことをしているの?
同棲はしていないので、会うのは週に3~4回。週末を一緒に過ごすのは月に2回くらいかな。私は自分の時間が必要なタイプなので、いつも一緒というのはダメなの。デートするときは映画を観たり、ショッピングへ行ったり、家でゆっくりしたり。一般的なカップルと同じだと思う。車で20分くらいの距離のところに住んでいるのだけど、私の家の方が広いので、彼が家に来る方が多いかな。会ったら、ほとんど毎回セックスもするわね。
―12年間も付き合っていてまだ結婚していない理由は?
彼ではなく、私の問題ね。理由はよくわからないけど、結婚自体に興味がないの。私はすごく自立していて、幸運なことに打ち込める仕事をもって、忙しく過ごしてきたわ。彼と離れていた時期があるのも、私の仕事が忙しすぎたのが原因。人と一緒に住むということ自体できるかどうか自信がないし、実際25歳のころからひとり暮らしをしてきて、同棲したことは一度もないのよ。ただ、彼の方が子供をほしがったり、結婚を考えたりしているので、そろそろ一緒に住むことから始めてみようかとは話はしているわ。
―結婚や出産についてどのように考えている?
結婚自体は素晴らしいことだと思うし、友人も結婚する人が周りに増えてきたからよいことだと思う。ただ、個人的に興味がないだけ。信心深い人にとっては意味のあることかもしれないけれど、私には結婚は紙の上での契約だとしか思えないのよね。フランスではパクス(PACS)※という制度もあるから、もし誰かと一緒に住むなら、結婚ではなくパクス(PACS)にすると思う。子供を産むことに関しては、自分ではまだあんまり考えたことがないの。ただ、彼もほしがっているし、たぶんよく考えたら(子供を)ほしいと思っているのだと、自分に言い聞かせているところ。
―フランス、特にパリは離婚率が高いと聞きますが、それについてはどう考える?
実は私の両親も、私が13歳のころに離婚しているの。当時それを受け入れるのは簡単ではなかったけど、父と母にとってはよい選択だったと思う。結果的に私は理解したけど、弟は随分悩んだみたいで可哀そうだった。周囲に両親が離婚した家庭は多くなかったのだけど、その5年後には周りの友人の親もかなりの確率で離婚していたかな。そんな経験があるから、夫婦がお互いに結婚生活に不満があって幸せじゃないなら、別れたほうがよいと思う。一方で、本当に些細なことで関係がうまくいかなくなったといって結婚生活を放棄する人も多い気がしていて、それには疑問を感じちゃうけどね。
―フランス人男性と付き合うのは大変だと思う?
問題なのは、フランス人男性じゃなくて、フランス人女性ね(笑)。今の女性はすごく独立心が旺盛だから。私たちの母親の世代は25歳くらいに結婚して、すぐに子供を産んでというのが普通だった。今はみんな30歳とか35歳になってようやく結婚を考えるでしょ。昔より女性の職業の選択肢も増えたことで、結婚して子供を産んで家族を作ることより、自分のキャリアややりたいことを優先している自立した女性が増えていると思う。昔よりはリベラルだとは思うけど、自分より働いて、自分より稼いでいる女性を恋人にしたいと思わない男性もまだまだ多いと感じるわ。
―最近フランスでも流行している、インターネット上で交際相手を探すことに関してはどう思う?
実は何年か前にフリーだったとき、友人に勧められて大手の出会い系サイトに登録したことがあるの。メッセージをやり取りして感じがいいなと思った人に電話番号を教えたけど、やっぱり気が進まなくて、結局会わなかったわ。友人で利用している子も結構いるし、忙しい今のパリジャンやパリジェンヌには便利だと思うけど、個人的にはもう使わないと思う。
―恋人といるときに、相手のために服装に気を使う?
付き合い始めのころはそうだったけど……。仕事でハイヒールやタイトなスカートを履いているので、家にいるときや休みの日はすごくカジュアル。あまりに気を使わなさすぎて楽な格好ばっかりしているから、彼に指摘されちゃうほどなのよ。でもこのままだとよくないと思って、最近いろいろ努力してるわ。
―セクシーかつ魅力的でいるために努力していることは?
髪の色が赤くて目立つところもあると自覚しているから、さらにセクシーな格好をして人の気を惹きたいとはあまり思わないの。根がシャイなのよね。だから服装はグレーとかベージュとか、あまり目立たない色でシンプルなものばかり。ただ、メイクやヘアスタイルには自分なりにこだわりがあって、マスカラなしでは絶対に家を出ない。眉も半年に一度、アートメイクをリタッチしている。髪には結構気を配っていて、必ずブローして出かけるわ。そういえば、メイクや自分に似合う色を教えてくれるレッスンも予約したのよ! 楽しみだわ。
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※パクス=PACS(Pacte Civil Solidarité/市民連帯契約)
1999年に制定された、結婚とほぼ同等の権利(税金や相続での控除他、カップルの公的な証明など)を認めた制度。1999年以来の新しい制度。
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