パリジェンヌのラブ&セックス本音白書 2015<ケンザ編>

パリジェンヌが語る本音の恋愛とセックス。大学生のケンザは、前の彼との出会い&別れを通じて、セックスや結婚に関していろいろと思いを巡らせた模様。

text : Marie Ueda

■“付き合い始めたら無防備な状態。そして突然ひとりぼっちになって傷ついてしまう”―ケンザの場合 

Kenza ケンザ[19歳]/大学生
  
―大学では何を専攻しているの?
弁護士を目指して法学部で勉強しています。けれど最近、ジャーナリストやレポーターなど伝える仕事もいいかなと思い始めているところ。
  
―現在、特定のパートナーがいる?
1年半、付き合っていた人がいたけど、ちょっと前に終わりました。
  
―別れた原因は?
いちばん大きな理由は、宗教観の違いかな。私は無宗教というか、特別信じている宗教がないんだけど、彼はイスラム教徒だったの。関係を終わらせるのは辛かったけど、困難が多すぎるときはあきらめることも肝心だと学んだわ。
 
―別れた彼とはどんな感じで付き合っていたのか教えて。
彼は大学の同級生で友人のひとりだったの。一緒に試験勉強したり、共通の友人たちと何度か出かけたりしているうちに親しくなって、「君はすごく優しくて素敵な人だから、よかったら友人以上の関係になりたい」といわれたの。私は友情と恋愛を混同したくなかったから、始めは断ったの。でも、当時付き合っている人もいなかったし、彼のいいところもたくさん知っていたし、付き合ってみようかなという気になって、恋愛関係がスタートした。結果的には1年半も付き合ったし、トライしてみてすごくよかったと思う。学生で私くらいの年齢だと、だいたい皆4、5カ月で別れちゃうでしょ。
 
―付き合っている間、他の男性に心が動いたりしたことはある? 
彼も私も特に嫉妬深くはなかったみたい。お互いのことを信じ切っていたから、彼ひと筋だった。私は、本当に誰かのことを好きになると、他の人のことは全く見えなくなっちゃうの。
 
―別れることになったいきさつは?
彼はイスラム教徒だったから定期的に1カ月のラマダン(イスラム教徒が実践する断食のこと)を行うんだけど、そのあいだは彼と会うことはおろか話もできないの。そして2度目のラマダンが終わったあと、なんとなく彼の私への態度が変わった気がした。でももう私に興味がないとか、好きじゃないとははっきり言わなかったから、そのあいまいな状態で3カ月ほど過ごしたわ。でも最後は私から別れ話を切り出したの。友人や家族たちからもそうすべきだとアドバイスされたし、私も自分のことを大切にしたいと感じたの。
    
―すんなりと別れられた?
先に気持ちが離れたのは明らかに彼のほうなのに、私が別れましょうというと今度は会いたいと言ってきたりして。追いかけると逃げるくせに、こちらが去ろうとすると追いかけようとする……。そういう煮え切らない態度が残念で、正直がっかりしたわ。
 
―失恋を経験して、何か変わった?
相手を心底信頼してしまうと、その関係が崩れたとき、また同じことを繰り返すのは辛いと思ってしまう。以前は恋愛は常に真剣でないと、と思っていたけど、次はもう少し軽やかな気持ちで向き合いたいという気分よ。恋人関係がスタートしたころはお互い独立していて自信があって、そんな彼や自分自身が好きだった。付き合い出したとたんに相手と一緒にいることが当たり前になり、そして突然別れが来る。そのときにはすでに自信や自尊心は失ってしまってとても無防備な状態だから、ひとりぼっちになって傷ついてしまう。それは辛いことよね。ただ彼と恋愛をしたこと自体は本当に素晴らしい経験だったと思うし、後悔はしてないわ。
 
―恋愛を始めるときは、相手からのアプローチを待つタイプ? それとも自分からアプローチする?
もともとはアプローチをされるのを待つ方だったけど、失恋後は考えが変わったわ。男性が「あの子と付き合いたい」って思うように、女性も「あの人と付き合いたい」って思うもの。だから、今は気に入った男性を見つけたら自分からアプローチするべきだと思ってるわ。実は今、気になっている人がいるの。やはり同じ大学の学生で何度か大きな教室で見かけただけなんだけど、見た目がタイプなのよ。
  
―どんな風に彼にアプローチするつもり?
彼に話しかけて、はっきりと好意を伝えたいって思ってるの。周囲の友人たちは、まず彼と話すきっかけを作って知り合いになってから告白するべきだって言うんだけど、大きな学校だし、さりげなく親しくなるっていうのも難しい環境なのよ。だから彼の名前も知らなかったくらいなんだけど、最近Facebookで名前を知ることができたわ。彼がいつも男女混合のグループで行動しているのが悩ましいのよね。グループの女性たちが彼に特別な思いをもっているかもしれないし……。
   
―フランスではインターネット上の出会いも増えていると聞くけれど……
3年前は私も否定していたけれど、今はITから始まることもたくさんあるし、ネット上のコミュニケーションは無視できない存在になっていると思う。そういうツールを使うこと自体がクールって感じになっているしね。個人的には、セックスする相手を見つけるためだけに出会い系サイトを利用するのはどうかと思うけど、ゲイの友人や恋人と別れたばかりの女の子が、一夜限りの関係を求めてやっていたりする。そういう人たちの話を聞いていると、愛情や恋愛に希望を持てなくなってしまったときに、傷つかずにいられる真剣ではない関係で、セックスをしたいときに活用しているのかなとも思うわ。
   
―愛のないセックスについてどう思う?
これもちょっと前なら、絶対に否定していたと思うんだけど……本当に愛していない人とセックスするなんてとんでもないってね。でも今は、心から愛しているという相手でなくても、好意があったら、それも経験のひとつとしていいんじゃないかなと考えるようになったわ。
   
―結婚という制度に関しては?
私が10歳のときに両親が離婚していることもあって、結婚に対してあんまり肯定的ではなかったわ。ほかにも離婚するカップルをたくさん見てきたし、結婚って紙だけのことだしね。でも、前の彼と付き合っていたときに“いつか結婚しよう”みたいなことをいわれて正直嬉しかった。結婚も人生の喜びのひとつなんだとそのとき思ったの。今は結婚に対しては肯定的に考えているわ。だからといって、結婚が夢とか、離婚はしたくないとかいう強迫観念はない。結果的にお互いうまくいかないのなら、一生添い遂げなくてもいいんじゃないかと思う。誰か好きな人が結婚しようといってくれたら、それも幸せでいいよね、って感じかな。
  
―子供はほしい?
家族というエスプリ自体が好きだし、子供ってすごく可愛いと思う。だからいつかは子供が欲しいな。自分も3人兄弟だったから、3人はほしいと思っているわ。
    
>>次回はモルガンの、感動のロングストーリー。

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