エディターズPICK 2015/11/25(水)

【vol.2】大統領の消された妹:アメリカのファッション史を築いたケネディ家の女たちの光と影

ジャクリーン・ケネディ・オナシス、その妹のリー・ラジウィル、ジョン・F・ケネディJrに嫁いだキャロリン・ベセット・ケネディ。ファッション・アイコンとして今もなお絶大な人気を誇り、現在も影響を与えているケネディ家の女性たち。でもその陰で人知れず存在を葬られた長女がいた……。華麗なる一族に隠された悲劇の長女、ローズマリーの人生が最新の資料に基づき1冊の本「ROSEMARY The Hidden Kennedy Daughter」として出版されたばかりの今、ケネディ家の女性たちのパワーを振りかえれば、その分だけ濃かった影の部分も見えてくるはず。2つめの物語は、大統領の義妹でジャクリーンの実妹、リー・ラジウィル。

写真左より リー・ラジウィル(Lee Radziwill)、アリストテレス・オナシス(Aristotle Onassis)

「アリストテレス・オナシスと結婚する」。そんな話を姉ジャクリーンに話すと「ばかばかしい夢を見て」と一笑に付したが、なんと最後にアリストテレス・オナシスを射止めたのはそのジャクリーンだった。つまり、姉は妹の恋人と結婚したということ。
 
そんな姉の略奪に遭いながら、1960年代にはハリウッドでの成功を試み、映画『フィラデルフィア物語』に端役で出演したり、テレビドラマに出演するも出来ははかばかしくなく、挫折。折しも姉ジャクリーンがファーストレディとなったため、イギリスを公式訪問し、彼女単独のインド・パキスタン公式訪問等にも同行している。“プリンセス・ラジウィル”として、ロンドンのタウンハウスとターヴィルのマナーハウスを所有していた彼女は、ソーシャライトとして活躍した。セシル・ビートンやホルスト・P・ホルストといったフォトグラファーに愛され、一時期はダイアナ・ヴリーランドのもと『ハーパーズ・バザー』で働いた経験もある。その間、ルドルフ・ヌレエフ、トルーマン・カポーティ、レナード・バーンスタイン、アンディ・ウォーホル等多くの才能たちと親交を深め、またフォトグラファーのピーター・ビアード、建築家のリチャード・メイヤー、そして恐らくはミック・ジャガーととも恋愛関係にあった。
 
1979年、実業家のニュートン・コープと婚約する。しかし結婚式の前日、彼のもとにジャクリーンの弁護士であるアレクサンダー・フォージャーから「妹のリーには専属の弁護士がいないので、婚姻契約について話し合いたい」という電話が突然かかってきた。姉がもたらした一本の電話が、またもや目の前に訪れていた幸福にヒビを入れることになる。

3 / 5
1 2 3 4 5

Photo:GETTY IMAGES Text:Ryoko Tsukada

  • (参考文献)
    ローレンス・リーマー「ケネディ家の女たち」
    Edward Klien 「Just Jackie : Her Private Years」 
    ネリー・ブライ「ケネディ家の悪夢 セックスとスキャンダルにまみれた3世代の男たち」 
    クリント・ヒル「ミセス・ケネディ 私だけが知る大統領夫人の素顔」

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へエディターズPICK一覧へ次の記事へ

ELLE PR STORIES

注目ブランドをもっと見る

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト