「ディオール」が変わった! 革命を起こした女性デモクラシー
9月30日(金)、ブランド史上初の女性ディレクターとなったマリア・グラツィア・キウリが発表する初の「ディオール」コレクションがパリでお披露目となった。ディレクター発表後3か月で創り上げたコレクションが拍手喝采された背景にあったのは多分なる“女性礼賛”。
2017春夏コレクション最大の目玉とされていた、マリア・グラツィア・キウリによる初の「ディオール」。軽快で、現代的、そして限りなくフェミニン。その素晴らしさは、ショーの途中なのにも拘わらずところどころで拍手が起こるほど。彼女らしい華やかなデザインと、「ディオール」が受け継ぐミニマリズムとエレガンスが、初めてのコレクションにして見事に調和したことは、マリア・グラツィアが、見事にクリエイティブチームの“城主”になれたことを象徴しているかのよう。
ブランドのもつエレガンスやアイコニックなシルエットやカラーを随所に織り込みながら、彼女らしい控え目な華やかさが全体を覆い、フェアリーで、快活で、コケティッシュで、なんといってもフェミニン! ファーストルック(写真左端)となったフェンシングのユニフォームが象徴するように、アクティブさとセレニティ、マスキュリンとフェミニン、ピュアとリュクス、成熟と若々しさなど使い古された対立項を対立させたまま合体させるのではなく、すべてを包含し内蔵するものこそが女性性であると主張するかのような打ち出しは、まさに今を生きる女性像にぴったり。
ルックだけでなく、このショー全体がまさに女性の、女性による、女性のためのショー。その証拠にランウェイに先立ち、公式インスタグラムではお針子からショー会場の建設スタッフまであらゆる職種や年代の女性たちを撮影しアップされた。ハッシュタグは「#THEWOMENBEHINDMYDRESS」からして、まさに女性礼賛。それは「ディオール」という世界最上級のメゾンが、いかに女性たちによって支えられているかを物語るもの。
新たなディレクターが決定されて約3カ月の間に、全体がしっくりとうまく組み合わされていたことに驚いた人も多い。これまで、男性が多くの職人女性たちを“率いる”形となっていたメゾンが、すべての女性が活躍するべく“結束”して生み出したかのようにも見える今回のショー。Tシャツにこれでもかと星座の刺繍が施されたスカートを組み合わせて、その下からスポーティなベルトでトリムされたブルマーが覗くという、さまざまな要素の“結集力”を象徴するかのようなルックに書かれていたのは「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS(私たちは全員がフェミニストなはず)」。女性が活躍する“新ディオール”の姿勢は、ここから読み解けるかもしれない。
https://www.youtube.com/watch?v=dP5_4YtXmXE&feature=youtu.be
★インスタ動画に登場する女性たちが建設したコレクション会場が出来上がるまでを15秒で一気見!