エディターズPICK 2013/3/28(木)
モード界のジェンダーレス化が止まらない!!

モードがジェンダーレス!

レディスとメンズ。女性服と男性服は違うものという定理が当然だったモード界に、着る人の性別を感じさせないルックが続出! 今季とくに目覚しいのは、「男性服の女性服化」。逆のアプローチは、200年も前から進んできたものの、男性が女性服を盛り込むのは「クィア」と呼ばれ蔑まれてきた歴史が・・・・・・。ところが、ついにその壁も崩れつつあるよう。

Photo : Imaxtree

70年代にイヴ・サンローランが女性に男性のスーツを着させた、「女性側のジェンダー」を揺さぶる試みから始まり、もうレディスは男性のアイテムを取り込むことが普通になっている。しかし男性側の女性化は進まず、80年代からに「ジャン・ポール・ゴルチエ」、2000年代に入って「コム・デ・ギャルソン」がメンズスカートを提案しても、メインストリームにはならなかった。

ところが、今季は少し様子が違うよう。メンズ服のレディース化をメインストリームに持ち上げたのは長年それに挑戦し続けてきたエディ・スリマンが率いる「サンローラン パリ」。メンズラインのショーは、誰が男女どちらなのか性別がわからなくなるような、女性的でスリムなルックを、中性的な両性のモデルに着用させて登場させた。メンズのショーに女性モデルを起用し、見る側のジェンダー観をゆさぶると、実際のアイテムもサイジングだけを変えて、同じ商品を男女両方に向けて売るという、ランウェイから飛び出し、実社会に深く根付く服へのジェンダー偏見を揺さぶっているだけでも、相当の重大ニュース。

それ以上の衝撃だったのが、英国の若き天才デザイナー「ジェイダブリュー アンダーソン」のコレクション。フリルという極めて“フェミニン”なディテールを大胆にとりこみ、発表直後は世界のモードメディアが大騒ぎ。すると、直後のレディスのロンドンファッションウィークでは、彼の作品を着る男子がストリートに登場。ここまでわかりやすい男性服の女性化は、逆にこれまで何を「女性的」としてきたかを再考するきっかけになったよう。

トレンドも出尽くしたと言われる中、本当に新鮮なデザインを提案する手段として残っているのは、この“ジェンダーイシュー”を解体することなのかもしれない。

(素足に膝上丈のレングスは、女性的に見えるということを再認識させたルック。さまざまな形で先入観を破壊したモード界にもまだまだ性別の下、自由な表現を縛るものがあるということかも?)

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