「マックスマーラ」のアイコンである“コート”を切り口に、ブランドとイタリアファッションの歴史を豊富なアーカイブと共に振り返る展覧会「COATS! Max Mara, Seoul 2017」が、韓国・ソウルの東大門デザインプラザ（DDP）にて開催される。これまで、ベルリン、東京、北京、モスクワと、世界中を巡回してきた過去の「COATS!」展と同様に、ミラノを拠点として活躍する建築スタジオ「スタジオ ミリオーレ＋セルベット アソシエーツ」が空間デザインを手掛ける。

今回の展示では、ヒュンダイ自動車のアートディレクターも務める著名なキュレーター、イ･デヒュン監修のもと、韓国人アーティスト、イーユン･カンが特別に制作したデジタルインスタレーションがオープニングを飾る。テーマや時代ごとに7つの部屋に分けられた会場には、1950年代に作られた最初のコートからミラノコレクションのランウェイに登場した最新のコートまで、90点を超えるピースに加えて、「マックスマーラ」のアイコンコート“101801”なども展示される。

さらに、エマニュエル･カーンやカール･ラガーフェルドなど、「マックスマーラ」を手掛けた歴代デザイナーたちによるスケッチをはじめ、伝説的ファッションフォトグラファーによるキャンペーンフォトやセレブリティのポートレート、ミシン、巻き尺、はさみなどの裁縫道具、そしてアート作品に至るまで、創業地であるイタリアのレッジョ・エミリアにあるアーカイブハウスに収蔵されている貴重なコレクションが一同にラインナップ。多様なコンテンツを通じて、ブランドの創業者アキーレ・マラモッティが追い求めたビジョンとデザイン哲学にフォーカスする。

また、今回ソウルで「COATS!」展が開かれることを記念して、韓国のみならず世界中で大人気のファッショニスタ、アイリーン・キムが、アーカイブハウスを訪問。アイリーンは、長年「マックスマーラ」を牽引してきたファッションコーディネーターのラウラ・ルズアルディについて、このように語る。「ブランドの歴史を知り、ラウラのような人に出会ったことで、もっとファッションを大切に思うようになったし、とてもインスピレーションを受けました。コートは私にとって歴史から生まれた作品。身にまとうと、まるで'50年代、'30年代、そのコートが作られた時代に生きているような気分になるんです。時代と共に繰り返すファッションと、デザイナーや私たちがそれぞれの時代にどんなに影響を受けているかを見るのは、本当に楽しかったです」

また、自身のアイテムと「マックスマーラ」のアーカイブピースをミックスして、ファッションシューティングを行ったアイリーン。「ヴィンテージアイテムが大好きで、普段からミックス＆マッチを楽しんでいます。アーカイブのなかで一番気に入ったのは、ストライプのパンツとバレエシューズに合わせたネイビーのコート。ボリュームのあるスリーブ、タイトなウエスト。私のために作られたのかと思うくらい、パーフェクトなフィット感で本当に美しいコートでした」
 
「マックスマーラ」の代表的アイテムであるコートを通じて、ファッションや女性像の変遷を辿る「COATS! Max Mara, Seoul 2017」展は、12月12日（火）まで。ソウルを訪れる機会があれば、ぜひ足を運んでみては。