2/5
柔らかな光に照らし出された、装飾を極めたリビング
画家ラベルの空間では、過去の歴史的様式を模倣した折衷主義が垣間見られる。まずは、大きな太陽と女像柱が中心的シンボルとなっているリビングルーム(写真)。暖炉の煙突に据えられた太陽の装飾は、6メートルを超える天井にまで届かんばかりに煌めいている。ジアン陶器の暖炉、斑岩の円柱、そして女人像柱。空間をさらに彩るのは、19世紀前半の簡素な生活文化を思い起こさせるビーダマイヤー様式の木製のライティングデスク、'60年代のガラスのサロンテーブル、そして建築家ミース・ファン・デル・ローエによるヴィンテージのバルセロナチェア。このアトリエでは、古代と現代の美的なエレメントがほどよく融合され、きわめて鮮烈な印象を残している。
-
『エル・デコ』 No.122も今すぐCHECK!
雑誌『エル・デコ』 は今年で創刊20周年! これを記念して今号では、“世界のインテリア The Best!”をお届け。インドの金融マンが暮らす、建築家と職人で作った木のモダニズム住宅や、伝統的なアラベスクを21世紀らしいクールネスで表現したモロッコの家など、インスピレーションに満ちた空間がずらり。さらに今回はファッションとの関わりにもフォーカスし、トレンドを徹底分析。時代を読み解くヒントがいっぱいの最新号をさっそくチェックして。
photo : Gilles Trillard realization : Marie-Claire Blanckaert text : Asaki Abumi