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写真上/MAPはバーバー・オズガビーが運営するクリエイティブコンサルタント。デザイナーのジョン(右)とスコットは「ヤマハ」の工場を訪れ、同社の歴史もデザインに組み込もうと心を砕いたという。本来は透明なフィルム状のTLFスピーカーを不織布で和紙風にし、マグネット付きワイヤーで固定する。ワイヤーは弦楽器、丸いマグネットは音符や楽譜のイメージで視覚からも音楽を喚起させるアイディアだ。
左下/均等なハニカム構造は機械で広げた後に人間の手によって調整される。その見た目は世界的なレベルでも美しいと高く評価されている。
右下/ハニカム構造は美しいだけではなく、接着によってさらに強度が高められ、棚は100キロの過重にも楽々耐えられる。

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世界の来場者が反応した、心に響く日本デザイン

JC11/「ヤマハ」×MAP partner of Barber&Osgerby
 
この展示の前を通る誰もが足を止め、あれ?と首を傾げながら一歩戻って……と、面白い反応を見せていたのが「ヤマハ」とMAPのコラボ作品(写真上)だ。1.5ミリという薄さと、正面にまっすぐ音が伝わり、隣の音が混ざりにくいという狭い指向性を特性とするTLFスピーカー。異なるボーカロイドの声が流れる5つのTLFスピーカーを半弧を描くフレームに吊り下げることで、音が集中する一点の前でだけ音声がハーモニーとなる、実験的で楽しい空間デザインが可能となった。

JC10/昭和飛行機工業×川上元美 
 
クリーンなデザインのなかに謎めいた素材感を併せ持つ! と訪れたデザイナーたちから絶賛を浴びていたのが、昭和飛行機工業と川上元美氏のコラボ(写真左下・右下)だ。航空機の主翼内部などに使用されるアルミハニカム素材という、通常は人目に触れない工業製品の美しさに注目。マットなカラーアルマイト処理を施し、楽しいイメージに。1.8ミリという極薄のガラスに接着して、軽やかさと強度を実現した。
 
マニュファクチュアというと伝統工芸のイメージが強いが、日本は先端技術や工業製品の分野でも最高峰の技を誇る。今回の出展では、日本の技術の底力を見せるだけでなく、インスピレーションあふれる利用法を形にすることで来場者にアピール。これからの製品化に向けて手応えの感じられる展示となった。ミラノやパリとはまた異なるスタンスでビジネスに直結する見本市「アンビエンテ」。ジャパンクリエイティブは、ここからまた新しい一歩を踏み出したのだ。

「国際見本市「アンビエンテ」で“日本のものづくり”をアピール!」トップへ

photo : NOBUO YANO text : HIDEKO KAWACHI

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