【後編】蘇ったビーチハウスで、大自然を抱きしめる!
建築家アンドリュー・ゲラーが1958年に手がけた、一風変わった木造のビーチハウス。大改修を経て竣工当時の姿に限りなく近づいたこの家には、同時代の家具がよく似合う。前編に引き続き、ニューヨーク郊外のファイアー・アイランド・パインズに建つユニークなフィリップ・モナハン邸をご紹介。
フランク夫妻が当時使っていた家具は、ゲラーが金属パイプと材木で作ったものが多かったが、フィリップは家と同時代に生まれたモダンデザインの名作を中心にチョイス。エーロ・サーリネンのテーブルや、ジョージ・ネルソンのペンダントランプに加え、チャールズ&レイ・イームズの“プライウッドダイニングチェア DCM”も置かれている。ちなみにフランクらは同じイームズながら“シェルサイドチェア DSX”を使っていたようだ。「私は自分自身をこの家の一時的な管理人だと思っていますが、ゲラー本来のデザインを褒め称えながら暮らせるのは最高ですね。彼は改築後に見に来てくれて、興奮していましたよ。トゥルーディ・フランクも『ついにこの家は理解する人のものとなったのね』と言ってくれました。とても嬉しかったですね。」
キャットウォークが天井を走る風通しのよさを感じさせる空間
ダイニングエリアに置かれたエーロ・サーリネンによるテーブルの周りには、チャールズ&レイ・イームズのチェア。その上にはジョージ・ネルソンのランプが下げられている。
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フィリップ・モナハン(Philip Monaghan)/ニューヨーク生まれ。1976年にテキサス工科大学絵画科卒業、'79年にプラット・インスティテュートで絵画の美術学修士号を取得。長年ファッション業界でアートディレクターとして活躍、デザイナーや写真家、アーティストらと協働した後、2001年より画家としての活動に専念。
http://www.philipmonaghanstudio.com
photos : RICHARD POWERS original text : DOMINIC BRADBURY text : SHIYO YAMASHITA
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