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モロッコの日常雑貨がモダンで優しいインテリアに

元は17世紀のサラディン朝の屋敷建築は伝統的な様式に倣い、中心に水場のある吹き抜けの中庭。それを囲んで住居棟が四方を囲む。1階は思いのほか天井の高い、ちょっとした隠れ家的サロンやキッチンに。普段は客を通さぬそのキッチンの内装でさえ、なんて軽やか!
 
モロッコ女性たちが日々料理に使う木製の“おたま”がリズミカルに多数並べられ、高い天井までの一壁を覆う。調理台上の照明のランプシェードは、なんと金属製の粉振るい! 電球の光を和らげ、拡散する、その効果は単なるデコというより、ちょっとした発明のよう。すべてはメディナ内の市場で入手できる日常のモロッコ実用雑貨だ。こんな楽しいキッチンだから、お客様に美味しく暖かな料理が日々生み出される。ヴァレリーの視線と小さなデザインアイデアは、いつもその場に生きる人たちのためだった。
 

  • 【Profile】

    Valerie Barkowski(ヴァレリー・バルコウスキー)
    ベルギー生まれ。モデルとして活躍の後、モスクワでアート財団を設立。数年後マラケシュに移住。96年、アーティストの創作の場にと17世紀の屋敷を購入。同時期、室内装飾ブランド「ミヤジヤ」のデザイナーとして伝説的ともいえるアイデアを数々考案。マラケシュのスタイルとして今もコピー商品が絶えない。99年、屋敷をリヤド「ダール・カワ」に改装。財団維持のためにデザインしたインドのハンドメイド布製品「バンディット・クイーン」が話題に。他、アクセサリー新ブランドも昨年よりモロッコで始動。豊かな知識と経験を裏付けに、けっしてぶれない彼女の審美眼とクリエーションに世界が注目する。
    http://darkawa.net/

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photo: Hiro Itsushima   text: Chiyo Sagae    coordination: Shoko Okamoto
special thanks: Rose de Marrakech

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