スタイルが貫かれる洗練のリヤド「ダール・カワ」
迷路のようなメディナの小路を抜け、サラディン調の古い木の扉を押し開けると、そこには優しい光に包まれて、古きと新しきが調和する家具や植物、手触りの良いリネンや小物がそれぞれの居場所に心地よく収まる。ミックスされるのは「時」だけではない。モロッコならではの生活雑貨もあれば、現代ヨーロピアンテイストの洗練されたリネン、インドの食卓を想わせるシンプルで味のあるテーブルセッティングが現れたり。「場」を超えてなお美的に共存し、来訪者を暖かく迎える知的なウイットが潜む。それが、ヴァレリー・バルコウスキーのリヤドだった。
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【Profile】
Valerie Barkowski(ヴァレリー・バルコウスキー)/
ベルギー生まれ。モデルとして活躍の後、モスクワでアート財団を設立。数年後マラケシュに移住。96年、アーティストの創作の場にと17世紀の屋敷を購入。同時期、室内装飾ブランド「ミヤジヤ」のデザイナーとして伝説的ともいえるアイデアを数々考案。マラケシュのスタイルとして今もコピー商品が絶えない。99年、屋敷をリヤド「ダール・カワ」に改装。財団維持のためにデザインしたインドのハンドメイド布製品「バンディット・クイーン」が話題に。他、アクセサリー新ブランドも昨年よりモロッコで始動。豊かな知識と経験を裏付けに、けっしてぶれない彼女の審美眼とクリエーションに世界が注目する。
http://darkawa.net/
photo: Hiro Itsushima text: Chiyo Sagae coordination: Shoko Okamoto
special thanks: Rose de Marrakech