でも演技後半ジャンプはルール違反ではない
ボーナス得点を狙ったザギトワ選手の戦略はルール違反ではない。ただ「フィギュアスケートにおけるバランスのとれた演技構成が失われつつあるのが残念」とジャーナリスト、ジャッキー・ウォンさんは語っている。ウォンさんはフィギュアスケートに特化したウェブサイト『Rocker Skating』を運営していて、米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に「フィギュアスケートの世界でもっとも信頼されている批評家」と称された人物。2017年NHK杯国際フィギュアスケート競技大会が開催された時も、彼はバランスのいいプログラムの重要性を訴え、後半にジャンプを詰め込む選手は演技構成点を下げるべきだと主張していた。
また女子だけでなく、フィギュア男子にも同じような傾向が見られていることも指摘。男子の場合、ジャンプを後半に集中させることはあまりないけれど、4回転ジャンプが飛べる・飛べないによって、得点に差がついてしまう。その証拠に、アメリカのネイサン・チェン選手が平昌オリンピックのフリーで4回転ジャンプを5回成功させ、高得点を叩き出したのに対し、アダム・リッポン選手は4回転ジャンプに挑戦しなかったため、フリーの結果は10位だった。
Photos: Getty Images Translation: Reiko Kuwabara From Good Housekeeping