盛り上がりベスト1
エマ・ストーン主演『Battle of the Sexes』
9月14日(木)。残すはあと3日となったトロント映画祭は中休みといったところ。会場が盛り上がった作品、まずは一作目。今年のオスカー主演女優賞に輝いたエマ・ストーンの新作『Battle of the Sexes』がとにかく大人気。メインエリアから少しずつ離れたライアソン・シアターでのレッドカーペットには、チケットが取れなかった観客までもがたくさん押し寄せ、普段穏やかなカナダ人たちがブチギレ寸前の大混乱状態。
それもそのはず。今でもテニス界の伝説として語り継がれている1973年のビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスの男女対決が元になっているため、70年代のエロかわいいウェアをまとったモデルたちが、特別限定ポロシャツやらサンバイザーやらを観客に向かって投げ与えるという大サービスを展開。砂糖に群がるアリのごとく騒ぎを聞きつけた人たちが押し寄せて大変なことに!
でも騒ぎ以上に物語がいい! 当時のテニス界での男女格差や女性蔑視を織り込みつつ、結婚しキング夫人と呼ばれていた彼女が同性愛者として自分を認めていく過程を夫の葛藤も含めて丁寧に描いていてコメディタッチなのに感涙。出演者も相手役のスティーブ・カレルにビル・プルマンなどで脇がしっかり固められていて安心して見られる。これは絶対にヒットすること間違いないと見た!
Photo: Courtesy of TIFF