なぜテイラーはノミネートされない? 白人がいなくなったグラミー賞2018を徹底分析
2018/01/27(土)
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左から ルイス・フォンシ(Luis Fonsi)、ダディ・ヤンキー(Daddy Yankee)

「スペイン語の曲」が年間最優秀レコード賞を受賞か?

「2017年を代表する曲」を決める年間最優秀レコード賞は前述の通り大混戦状態。しかし、受賞最右翼は、ジャスティン・ビーバーが客演することで、ヒスパニック・コミュニティのみならず、世界中で聴かれ、サッカー会場でも大合唱されたルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーの「デスパシート」でしょう。そうなれば、年間最優秀レコード賞を英語ではない言語の曲が第一回グラミー賞におけるドメニコ・モドゥーニョの「ボラーレ」が受賞した依頼の快挙になります。

スペイン語で“ゆっくり”という意味の「デスパシート」

ただ、主要3部門すべてに名前を連ねているブルーノ・マーズ、ジェイ・Z、2部門にノミネートされているケンドリック・ラマー、チャイルディッシュ・ガンビーノ、誰が獲ってもおかしくない。世界中が傑作のハンコを捺した『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』で主要3部門を逃したケンドリック・ラマーしかり。昨年のグラミー授賞式でも奥方ビヨンセを見守るように最前列で子どもたちと観戦、ロビー活動も周到なヒップホップ界最大のビジネスマン、ジェイ・Zしかり。正直、この群雄割拠のなかではテイラーに勝ち目はなかったかもしれません。

Text: Soichiro Tanaka Photo: Getty Images, Aflo

  • 田中宗一郎/音楽サイト「ザ・サイン・マガジン」のクリエイティブディレクター、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『ロッキング・オン』副編集長を務めたのち、1997年に自ら音楽雑誌『スヌーザー』を創刊。その後、2013年秋にWEBメディア「ザ・サイン・マガジン」を開設。『スヌーザー』がオーガナイズするクラブイベント、クラブ・スヌーザーは全国各地にて現在も開催中。@soichiro_tanaka

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