なぜテイラー・スウィフトは今年のグラミーの主要部門にノミネートされていないのか?
では、なぜテイラー・スウィフトは今年のグラミーの主要部門にノミネートされていないのか? これについては答えは簡単です。単に、テイラーの最新作『レピュテーション』がリリースされた日が審査対象期間ではなかったから。しかし、それにしても、主要3部門にノミネートされているアーティストの顔ぶれが例年とは違う。そんな風に感じた皆さんも少なくないはずです。
こういう言い方をするのも反動的ではあるんですが、実際、主要3部門ノミネーの15枠のうち、大半のアーティストがカラード。白人アーティストは年間最優秀アルバムノミネーのロード、年間最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にノミネートされているルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーの「デスパシート」に客演したジャスティン・ビーバー、そして自殺防止ラインの電話番号をタイトルに冠したロジックの「1-800-273-8255」に客演したアリッシア・カーラだけ。
もう少し別な見方をすると見事に男だらけ。主要3部門ノミネーの15枠のうち、女性アーティストは最優秀楽曲賞にデビュー曲「イシューズ」がノミネートされたジュリア・マイケルズ、あとはやはりロードとアリッシア・カーラだけ。ブルーノ・マーズだけでなく、ジェイ・Z、ケンドリック・ラマー、ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーと、カラードの男性アーティストが主要3部門だけでなく、多くの部門にノミネートされた。それが今年のグラミー・ノミネートなのです。
Text: Soichiro Tanaka Photo: Getty Images, Aflo
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田中宗一郎/音楽サイト「ザ・サイン・マガジン」のクリエイティブディレクター、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『ロッキング・オン』副編集長を務めたのち、1997年に自ら音楽雑誌『スヌーザー』を創刊。その後、2013年秋にWEBメディア「ザ・サイン・マガジン」を開設。『スヌーザー』がオーガナイズするクラブイベント、クラブ・スヌーザーは全国各地にて現在も開催中。@soichiro_tanaka