なぜテイラーはノミネートされない? 白人がいなくなったグラミー賞2018を徹底分析
2018/01/27(土)
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テイラー・スウィフト(Taylor Swift)

なぜテイラー・スウィフトは今年のグラミーの主要部門にノミネートされていないのか?

では、なぜテイラー・スウィフトは今年のグラミーの主要部門にノミネートされていないのか? これについては答えは簡単です。単に、テイラーの最新作『レピュテーション』がリリースされた日が審査対象期間ではなかったから。しかし、それにしても、主要3部門にノミネートされているアーティストの顔ぶれが例年とは違う。そんな風に感じた皆さんも少なくないはずです。

全米の自殺防止対策ホットラインの番号をタイトルにした楽曲「1-800-273-8255」

こういう言い方をするのも反動的ではあるんですが、実際、主要3部門ノミネーの15枠のうち、大半のアーティストがカラード。白人アーティストは年間最優秀アルバムノミネーのロード、年間最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にノミネートされているルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーの「デスパシート」に客演したジャスティン・ビーバー、そして自殺防止ラインの電話番号をタイトルに冠したロジックの「1-800-273-8255」に客演したアリッシア・カーラだけ。

ジャスティン・ビーバーの「ソーリー」も手掛けたシンガー・ソング・ライターのジュリア・マイケルズの「イシューズ」

もう少し別な見方をすると見事に男だらけ。主要3部門ノミネーの15枠のうち、女性アーティストは最優秀楽曲賞にデビュー曲「イシューズ」がノミネートされたジュリア・マイケルズ、あとはやはりロードとアリッシア・カーラだけ。ブルーノ・マーズだけでなく、ジェイ・Z、ケンドリック・ラマー、ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーと、カラードの男性アーティストが主要3部門だけでなく、多くの部門にノミネートされた。それが今年のグラミー・ノミネートなのです。

Text: Soichiro Tanaka Photo: Getty Images, Aflo

  • 田中宗一郎/音楽サイト「ザ・サイン・マガジン」のクリエイティブディレクター、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『ロッキング・オン』副編集長を務めたのち、1997年に自ら音楽雑誌『スヌーザー』を創刊。その後、2013年秋にWEBメディア「ザ・サイン・マガジン」を開設。『スヌーザー』がオーガナイズするクラブイベント、クラブ・スヌーザーは全国各地にて現在も開催中。@soichiro_tanaka

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