ロジック、「君はひとりじゃない」
最後のライブパフォーマンスを披露したのはロジック、アレッシア・カーラ、そしてカリッド。コラボ曲「1-800-273-8255」を熱唱した。このタイトルはアメリカの自殺防止のためのホットラインの電話番号。ロジックはステージ上でマイノリティや今のアメリカで疎外感を感じている人たち、そして世界中にこう呼びかけた。
「黒人は美しい。ヘイトは醜い。女性たちはとても尊い。俺があったことのあるどんな男よりも強いからだ。そして俺は彼らに言いたい。立ち上がり、愛で満ちた心の重さで虐待者たちを押し潰せと。その愛は誰も取り上げることができない。声を上げることを恐れるな。特に今、チャンスを手にしているようなときには。弱くはないけれど、悪意に満ち隠蔽しようとするこの世界で力を見出せないでいる人のために立ち上がり、戦おう」
「カルチャーと多様性、そして何千年もの歴史を持つすべての美しい国々へ。君たちはシットホール(便所)なんかじゃない。君たちは美しい。そして最後にこの不平等で、俺たちが今日ここにもたらした変化に対してまだ準備ができていない世界の中で戦っている人を代表して言おう。疲れきり、貧しく、そして避難場所を求める移民たちにここに来てほしいと。一緒になれば俺たちは作ることができる。より良い国というだけでなく、団結することのできる世界を」。
ドナルド・トランプ大統領の「シットホール(便所)みたいな国」という発言を痛烈に批判、分断したアメリカに団結を呼びかけたロジック。今年のグラミー、そして今のアメリカを象徴したパフォーマンスだと言えそう。
photo : Getty Images, AFLO text: Yoko Nagasaka