ドラマ「グレイズ・アナトミー」のサンドラ・オー、「人種差別に洗脳されていた」
ドラマ「グレイズ・アナトミー」のクリスティーナ・ヤン役で知られるサンドラ・オー。ハリウッドにある人種差別の根深さについて語っている。
韓国系カナダ人の両親を持つサンドラ・オー。ドラマ「グレイズ・アナトミー」を始め、アジア系の脇役を演じることが多かった。最近のインタビューでこれまでの俳優のキャリアを振り返り、ハリウッドには「人種差別が存在する。それを深く実感している」「私はとても幸運だったけれど、人種差別がなかったとは言わない」と語っている。
最新作のドラマ「Killing Eve(原題)」では主役を演じているサンドラ。「このドラマの脚本をもらったとき、ざっと見てもなぜこれが送られてきたのかわからなかった。だからエージェントのナンシーに電話をかけて『わからないんだけれど、私はどの役?』って聞いた。そうしたら『イブよ、イブよ!』って彼女が答えたの」。
「私はイブ役がオファーされるとはまったく思っていなかった。このときのことを今でもよく思い出すわ。人種差別が私の中にどれほど深く植えつけられていたかって」「何年もの間ある1つの役として見られ続けることで、こんなに大きな影響を受けるなんて。人種差別によって自分で自分の仕事の枠を決めてしまっていた。物語の中心となる役をオファーされるなんて思いもしなかった」「何十年もそう見られた後、やっと気がついた。『オーマイゴッド! 私、洗脳されていたんだ』って」と語っている。
マイノリティであるアジア系の俳優がドラマの主人公に抜擢されることはまだまだ少ない。長年「アジア系は脇役だけ」という目で見られていた結果、自分でもそう思うようになっていたというサンドラ。そう気がついたことが「私にとっては大きな驚きだった」という。ハリウッドの人種差別の根深さを示す今回の発言。他のマイノリティの俳優たちにとっても、発見のチャンスになりそう。
text: Yoko Nagasaka