セクハラ疑惑で視聴率が43%下落! 「Me Too」の創設者、ライアン・シークレストのレポーター起用について語る
元スタイリストからセクハラで告発されているテレビタレントのライアン・シークレスト。3月4日(日)に開催されたアカデミー賞のレッドカーペットのレポーターに彼を起用したことでテレビ局「E!」が批判されている。この理由について「Me Too」ムーブメントの創設者が語っている。
2006年からアカデミー賞やグラミー賞、ゴールデングローブ賞のレッドカーペットのレポーターを務めてきたライアン・シークレスト。昨年秋に元スタイリストからセクハラで告発されたにもかかわらず、「E!」は3月4日(日)のアカデミー賞授賞式のレッドカーペットでも彼を起用。セクハラについては「証拠が不十分で立証できない」とコメントしていた。
でも女優たちは「E!」の対応に反発! 主演女優賞候補だったマーゴット・ロビー、メリル・ストリープ、フランシス・マクドーマンド、サリー・ホーキンス、シアーシャ・ローナンは態度で表明。彼のために立ち止まり、コメントすることはなかった。
彼の起用に対する批判について「Me Too」ムーブメントを組織として立ち上げたタラナ・バークが授賞式後にコメント、問題点を解説している。雑誌『バラエティ』に「彼のインタビューに答えるか答えないかを女優たちが決断しなくてはいけないのは、彼女たちに対してフェアではない。『答える? それとも答えない?』と決断を下すべきなのは私たちではない」。
でもアメリカでは「セクハラ疑惑は立証されていない。降板させるのはライアンに対して不公平では?」と彼を擁護する意見も。バークはこれに対して「これは彼が有罪か無罪かという問題ではない」とコメント。「告発の声が上がったのであれば、完全に解決するまでは私たちの問題ではなく『E!』の問題。『E!』がこの問題、そして女性たちに対してどれだけ敬意を払っているかということを示すものなのです」。
つまり疑惑がはっきりと晴れないうちに彼を起用するのはこの告発に真面目に向き合わず、女性を尊重していないということ。ちなみに今回のレッドカーペットの中継番組は、ターゲットとしている視聴者層の視聴率が昨年に比べ約43%落ちたという。女優たちだけでなく視聴者たちもセクハラに対して厳しい姿勢をとり、その意思を「見ない」という行動で示していることがよく分かる結果となった。これから「E!」がライアンに対する告発にどう対応していくのか、注目したい。
text: Yoko Nagasaka