デンマークのヘンリク王配の葬儀がしめやかに
2017年2月13日に83歳で逝去したデンマーク王室のヘンリク王配の葬儀が2月20日(現地時間)、コペンハーゲンのクリスチャンスボー教会で執り行われた。
前日まで棺は一般公開され、約14000人が王配と最後のお別れをした。葬儀にはマルグレーテ女王をはじめとする親族やラースロッケ・ラスムセン首相、ケアスゴー国会議長ら約60人が参列。教会の前で300人ほどの国民が見守る中、ヘンリク王配の棺が運ばれた。
国葬ではなく、故人の遺志で近親者のみの私的で小規模な葬儀となったため、海外のロイヤルファミリーは参列しなかったそう。王配は火葬され、灰の半分をデンマークの海に散りばめ、残り半分は王配が余生を過ごしたフレーデンスボー城の庭に埋葬されるという。
教会は家族や友人からの花で埋め尽くされ、なかにはコペンハーゲン内の自治体クリスチャニアからの花も。ヒッピーが住むクリスチャニアは王室と深いつながりはなかったけれど、ヘンリク王配が女王と同等に扱われないことに不満を示していたことに親近感を覚え、花を贈ったとのこと。
陛下ではなく王配という称号に満足をしておらず、ヘンリック王配は「男女平等であることが大事であれば、私も妻である女王の下ではなく、同じように扱ってもらいたい」と発言したことも。
マルグレーテ女王と結婚前はハノイ、香港、サイゴンやロンドンなどで過ごし、結婚後は小説の翻訳、エッセイ集や料理本の執筆、彫刻の制作など王室の公務以外にもさまざまな活動をしていた。ロイヤルファミリーとしては珍しいフリースピリットが、クリスチャニアの住民からも評価されたのだろう。ヘンリック王配の安らかな眠りをお祈りしたい。
Text: Yoko Nagasaka Photo: Getty Images