グラマラスは消滅!? 新境地を拓く多彩な感覚へ
春夏コレクションではどんな流れを感じましたか?
ユージーン:たとえば、ミラノの「ミッソーニ」のショーでは、クリーンでミニマルな雰囲気をつくりました。「ピーター・ソム」では、明るめのカラーを用いて、デザインが未完成のようなそのままの髪のテクスチャーを出してみました。一方「ハイダー・アッカーマン」は、とても男性的なフィーリングで、女性的な高級感とは対照的なスタイルです。私にとってひとつのトレンドというのは、要素の広がりがあって、特定のものではありません。どのように遊ぶか、スタイルを料理するかだと思っています。ミニマルなルックがあったり、頭を小さく見せるようなクリーンなスタイルがあったり、輝きがあったり。しかし、伝統的な意味でのグラマラスは、なくなりました。いわゆるリッチであったり、豪華であったりするような感覚は消えていったと思います。最近はもっと何かクールなスタイルに戻っているようですね。
バックステージで創作をする醍醐味とは?
ユージーン:トレンドとは、ずっと多くの、複雑なものが絡み合っています。今、人は現実に目を向けていて、お金をもっと使いたい人、お金をあまり使いたくない人が二極化しています。その中間の人というのは、もはや存在しないのではないでしょうか。お金やライフスタイルは“チョイス”であり、大衆の一部やファッション中毒のように感じさせることなく、人々をファッショナブルにするデザイナーやヘアスタイリストが大勢います。非常に多様であり、私はそこが良いと思っていますし、インスピレーションをお互いに交換しあえるのはとても刺激的です。
Special thanks to:P&G
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ユージーンのお気に入りヘアアイテム
有機的なフォルムやいきいきとした独創的なヘアデザインで世界のトップデザイナーたちを魅了するユージーン・ソレイマン。スタイリングに欠かせない、日本人女性にもおすすめのアイテムがこちらの2品。 今年のキーワードである“質感”と“ニュアンス”を活かしたスタイルを手軽に実践できる。
「ヘアデザインをするときには、よく髪の根元にスタイリング剤を使用します。これが髪の毛のニュアンスをつくるうえでは本当に役立つんです。2つお気に入りのアイテムがあって、ひとつは、ウエラプロフェッショナル スタイリングの「パーフェクトセッティングローション」。デザインのベースづくりで役立ちます。もうひとつは質感を出す「オーシャンスプリッツスプレー」です。このふたつを混ぜて使うのも好きなんです」(ユージーン・ソレイマン)
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<左>ユージーン・ソレイマン(Eugene Souleiman)
ヘア業界の奇才として、世界のデザイナーやアーティストから熱烈に支持されるヘアアーティスト。ウエラプロフェッショナルズ グローバル・クリエイティブ・ディレクターとして、コレクションのバックステージやモードの最前線で活躍中。
<右>ジョッシュ・ウッド(Josh Wood)
セレブ御用達のヘアカラーリストとして名を馳せる。ウエラプロフェッショナルズ グローバル・クリエイティブ・ディレクターとしてカラーを担当し、ユージーンとともにコレクションのヘアには欠かせない存在。