アラブ人が大成させた「水蒸気蒸留法」
「アロマテラピーやエッセンシャルオイルのルーツは、アラビアにあるんです」と語るベルカメル博士。「10世紀から11世紀にかけて、イブン・シーナー(英語名はアヴィセンナ)という人物が医者、また哲学者として多くのことを成し遂げました。彼が記した『医学典範』は、近世になるまで各国で最先端の医学書として指針となっていたことで知られています。医療の分野で多くの実績を残したイブン・シーナーの偉業のひとつが、“水蒸気蒸留法”の大成です。蒸留装置を使った蒸留技術はそれまでにもありましたが、彼はへび状にガラス管を回して抽出物を早く冷却し、より濃縮された質の高い精油を採ることに成功しました。植物のもっている力がダイレクトに伝わるようになって、精油の効能も高まったわけです」。
抽出技術として優れた水蒸気蒸留法は、シンプルで経済的なため、広く世界中で利用されている。これが、アロマテラピーの成り立ちともいえるわけだ。
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[植物と五感でコミュニケーションできる場所]
訪れるなら予約するのがベター。庭園を見ながらのんびり足湯に浸かるのもおすすめ。Le Jardin Bio-aromatique d'Ourika ウーリカ・ビオアロマ庭園
Lot Pinatel B.P 142 Tnine Ourika Haouz
tel. +212 (0) 5 24 48 21 49公開時間/9:00~17:00(夏季は~18:00) 無休
入場料/15DH(ガイド付き 60DH)
英語OK
photo: Hiro Itsushima coodination & interpreter : Shoko Okamoto, Chiyo Sagae
special thanks: Rose de Marrakech