奇跡のオイル、アルガンは、こうして生まれる【2】
アソシエーション「アッサイス・ウーゼカ」で働く女性たちは、近隣の村の20歳から62歳の女性、20人あまり。種から取り出された仁を石臼で引く圧搾作業を受け持つのは、年長のファティマさん。「子供の頃から家で、おばあちゃんやお母さんのオイル作りを手伝っていたから」と、25kgの重い石臼を易々と手で回す。彼女たちが長年愛用する伝統の石臼は、オイルの圧搾に最良・最適な道具だった。作業中に熱を生じず低温で圧搾するから風味や成分を壊すことなく、しかも無駄のない滑らかなペーストを作ることができるのだから。そういえば、すべての作業における消費電力はゼロ。エコ・コンシャスなオイル作りが高い品質を守ることを、世代を超えて熟知していた彼女たちに脱帽の思い。
1. 石臼の台座の石に仁を少量乗せて手回しする圧搾作業。石臼は「ブルー・ストーン」と呼ばれるモロッコの石で作られた伝統的なもの。
2. 最終段階は、オイルを豊潤に含むペーストに少しずつ水を加えながら手揉みする、撹拌作業。加えた水のおかげで、オイルと搾りかすが徐々に分離する。2,5kgのペーストを2時間撹拌することで、約1リットルの純正オイルを得るという(1リットルのオイルに、38kgのアルガンの実が必要!)。
3. 分離した搾りかすをまとめ、取り出すことで、アルガンオイルが器に残る。搾りかすはハマムでのゴマージュに、洗髪後のトリートメントに使われてきた。
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[アルガンオイル作りを公開している工房]
Assaisse Ouzeka アッサイス・ウーゼカ
Sidi Ashmed Km 22 Route Essaouira-Agadir
tel. +212 (0) 6 61 25 79 67
公開時間/8:30~12:00、14:00~18:30 無休
英語OK
http://www.argan-assaiss-essaouira.com/
photo: Hiro Itsushima text: Chiyo Sagae coordination: Shoko Okamoto
special thanks: Rose de Marrakech