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photo : Imaxtree

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“ひとりぼっち”と感じることについて

「本当はさみしくて仕方ない。でも打ち解けて話せる人が一人もいない。依存すると人間関係がうまくいかないと思って自立しようとしたけど、いつの間にかひとりぼっちになっていた」(30代・匿名H)
「もうみんな、私のことなんて忘れてしまったのかな、と思う。ケータイの着信ランプをじっと見つめ、数秒待っても光らないのを確認して、ひどくさみしくなる」(20代・匿名N)
      
■不安からくる孤独感は女性なら誰しもある 
「ひとりぼっち」と感じている女性が多いのも、脳の特性のためと考えられます。男性がひとりだ、と感じるのは本当に孤立したときや孤独なとき。女性の場合は、パートナーがいても友人と一緒にいるときでも、ふいに“ひとりぼっち”と思ってしまうことがあります。満たされた環境のなかでも、所在無さを感じてしまうのです。
  
これは男女で同じことを成し遂げたときに顕著です。何かを成し遂げたときは、体内はアドレナリンというホルモンが駆け巡り、脳内ではノルアドレナリンが増えています。この脳内ホルモンが出ると、男性は達成感や所有感を得ますが、女性の場合は不安や怖さと結びつくことがあります。やれやれ終わった、山を乗り越えた、という思いのあとに、突然、不安がやってくるのです。
  
しかも、その不安はずっと続くのではなく、断続的に起こります。そのため孤独感が強調されるのです。これは女性特有の脳内ホルモンの作用。がんばっているときほど、強く気持ちが沈みます。
  
まずは“大きなことを成し遂げたら不安になることがある”ということを知ることが大切。自分にはそういう傾向があることを自覚することで、そうなったときに驚かずに対処できます。もしそうなってしまったら、焦らず自分自身に甘くなって、乗り越えたことを褒めてあげるとか、休息するのがいい。パートナーがいる人は、普段からお互いの傾向について話して合っておくと、心地よくサポートしてもらえるでしょう。

  • 菅原洋平先生
    Yohei Sugawara/作業療法士、心理カウンセラー、睡眠改善インストラクター。ユークロニア代表。脳の働きとヒトの行為がもっとも反映されるのは精神科医療だと考え、精神科作業療法に従事。睡眠を改善し、脳とからだの力を発揮させる「スリープメソッド」を開発。誰でも簡単に実施でき、薬物療法だけに頼らずに睡眠を改善するサービスを提供する。著書『あなたの人生を変える、睡眠の法則』(自由国民社)。エル・オンライン ビューティチャンネル連載「新メディカル・ビューティ講座」も好評。
    ユークロニア http://activesleep.net/active-sleep/
    公式ブログ http://ameblo.jp/activesleep/

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