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photo : Imaxtree

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なぜ、自分のことが好きになれないのか

「自分の事が好きになれません。自分に自信が持てません。だからいつも自分のやりたいことに近づけず、イライラしてしまいます」(20代・匿名R)
「主人も子供もいますが、最近不満が蓄積していて、そばにいる優しい男性に惹かれてしまっています。こんな自分が嫌になります」(30代・匿名S)
      
■記憶の痕跡である自分を再確認すれば、自分への恐れはなくなる 
自分が嫌い、好きになれない、と思う人には2つのタイプがあります。
A. 理想はこんな人、と定義づけて、そうではない自分が好きになれない、というタイプ。
B. 感情のままに生きている自分の現状やその行動に自ら呆れて、自分が嫌になる、というタイプ。 
    
Aタイプの人というのは、理想の人間像を自分の中で作り上げ、それと対比させて自分はそうではない、と自らを卑下してしまうケースです。“こうあるべき”と思い込み、そういう人間像を求めて自己啓発系セミナーなどに依存する傾向にあります。  
Bタイプの人は、自分の思考や行動に自ら恐れを感じていて、客観視できなくなっている状態。
どちらも我を忘れて、自分自身に振り回されているという点では一緒。結果的に、ますます自分が嫌いになってしまいます。一番の問題は、自分の本来の姿を見失っていること。自分が自分らしくいられれば、自分のことを好きでいられるはず。自分を見つけるには、記憶を整理しましょう。“自分自身”とは記憶の痕跡だからです。過去の記憶が蓄積されたものが、今の自分です。
  
過去をさかのぼって、事実をもとにある時期を振り返ってみることはとても有効です。あいまいなことではなく、たとえば10年前の自分は、朝起きてから夜眠るまでどんなことをしていたか、といった、事実を書き出してみてください。本当はこういう時間が好き、こういうことをやっているときの自分が心地いい、という、自分なりの自身を安定させる工夫が、必ずあるはずです。事実が確認できたら、後はその大切なことを復活させるだけ。自分にとって最高の行為や時間が見つかれば、今の自分への恐れなんて、なんでもないと思えるものです。

  • 菅原洋平先生
    Yohei Sugawara/作業療法士、心理カウンセラー、睡眠改善インストラクター。ユークロニア代表。脳の働きとヒトの行為がもっとも反映されるのは精神科医療だと考え、精神科作業療法に従事。睡眠を改善し、脳とからだの力を発揮させる「スリープメソッド」を開発。誰でも簡単に実施でき、薬物療法だけに頼らずに睡眠を改善するサービスを提供する。著書『あなたの人生を変える、睡眠の法則』(自由国民社)。エル・オンライン ビューティチャンネル連載「新メディカル・ビューティ講座」も好評。
    ユークロニア http://activesleep.net/active-sleep/
    公式ブログ http://ameblo.jp/activesleep/

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