ディック・ページが教える赤リップの遊び方
モード女子に欠かせない赤リップが、この春夏、とびきり存在感を増している。ひと塗りで凛とした佇まいに変えてくれる赤リップだけど気後れしてしまう色であるのも事実。そこで、2名の赤リップラバーをモデルに、資生堂アーティスティックディレクターで世界屈指のトップアーティスト、ディック・ページに今年らしい“遊び方”を聞いた。本日は、アーティストSHOKOさん編。
塗り重ねても濁るどころか3D効果倍増!
まずディックが提案してくれたのは「色のブレンドで遊ぶ」方法。自身がクリエイトした多彩な色のラインナップから3本を選び、赤そのものを引き立てるために違う色みをベースに塗るというやり方だった。
「ご自身でつけていた赤口紅も似合っているけれど、色をもっと遊んでみたらどう? ヌード系の色をベースに、中央に赤リップをハイライトと逆の発想でのせ、ベースに近いローズ系の色をラフに重ねるんだ。口元が引き立つぶん、チークはベージュ系で抑えめに。目元と口元にハイライトを入れアイブロウは少し明るくするだけで、全体のバランスに赤リップがぐっとなじむんだ」(ディック・ページ/資生堂アーティスティックディレクター)
3色をまるで絵を描くように塗りこめるディック。お気に入りはなんとアイシャドーブラシだという。
「色をよく含んで描きやすいからよく使うワザなんだ」 (ディック・ページ/資生堂アーティスティックディレクター)
さらに唇のコンディションを整えるために、リップクリームとベースに使用したリップを手の甲で混ぜてから唇にのせるという裏技も。上質で卓越した色のリップと、ちょっとしたひと工夫さえあれば、今年らしいラフな雰囲気の赤リップがすぐさま完成!
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【SHOKOさんのメイク後記】
自分でメイクするときは、マットな赤リップをシンプルに塗るだけですが、今回ディックがヌーディなピンクを赤のベースに使用していたり、「メイクは唇だけではない、全体のバランスだ」と目元にハイライトを入れられていたのを見て、メイクの奥深さを実感! 普段ファッションとのバランスを見ながらメイクを楽しんでいるつもりですが、今後ディックのアドバイスを念頭にメイクをしたら、メイクの幅もより一層広がって楽しめそう。 -
【Profile】
ディック・ページ(Dick Page)
イギリス生まれ。ロンドンを活躍の場としてファッション業界に進出後、NYへと拠点を移す。「マイケル・コース」「ナルシソ・ロドリゲス」「マーク BY マーク ジェイコブス」「セリーヌ」などのファッションショーのメイクを担当し、創造性に満ちたタイムレスなメイクで高い評価を受けるメイクアップアーティストのひとり。世界各国のモード誌でもクリエイターから絶大な支持を得ている。
Photo:Yoshihiro Toyota(pinx.)